国民年金が0.1%引き下げ。月額「64,491円」に

[2017/1/30 00:00]

年金は0.1%の引き下げ

国民年金と厚生年金は、毎年、物価に合わせて支給される金額が変わります。

平成29年度(2017年3月~)の年金額は、物価指数に合わせて0.1%の引き下げとなりました。

国民年金は、月額「64,491円」となります。

これは平成28年度の「65,008円」から67円の引き下げです。

厚生年金は、夫婦2人分のモデルで、月額「221,277円」となりました。

こちらは、昨年度の「221,504円」に比べて、227円の引き下げです。

国民年金は、年金保険料を支払った期間によって、厚生年金は支払った期間とその間の収入によって金額が変わりますので、これらの金額が、そのまま貰えるわけではなく、目安であることに注意しましょう。

国民年金の保険料も値下げ

物価の変動に合わせて、国民年金保険料も変わります。

今年度は0.1%値下げされて、月額「16,490円」になりました。

これは平成28年度より、230円の値上げとなります。

また、前納の関係があるので、平成30年度の国民年金保険料の確定しています。

こちらは、月額「16,340円」で、平成29年度より150円値下げとなります。

前納の金額も決まる

来年度の国民年金保険料が決まったことにより、保険料をまとめて前納する際の金額も決まりました。

割引額は、毎月納めるときに比べて安くなる金額です。

  • 6カ月前納(口座振替) 97,820円(1,120円割引)
  • 6カ月前納(現金納付) 97,820円(800円割引)
  • 1年前納(口座振替) 193,730円(4,150円割引)
  • 1年前納(現金納付) 194,370円(3,510円割引)
  • 2年前納(口座振替) 378,320円(15,640円割引)
  • 2年前納(現金納付) 379,560円(14,400円割引)

国民年金を前納する場合は、2月末までに年金事務所に申し出をする必要があり、現金の振込は4月が期限となっています。

2年前納する2つのメリット

ここから先は、フリーランスの方向けの余談になります。

国民年金保険料の前納は、2年前納でも約4%と割引率が小さいのですが、2つの利点があります。

まず、節税対策です。

「国民年金保険料」は全額が「社会保険料控除」の対象になります。

つまり、2年分の保険料を前納することによって、「37万円」という大きな控除ができます。

来年度分の保険料まで、今年度の控除として使えるわけです。

現在、手元に使う当てのない現金があったり、今年も大きな利益が出ることが分かっていて、節税のために少しでも経費や控除を大きくしておきたい場合は、検討する価値があります。

もう1つの利点は、クレジットカード払いです。

今年度から、国民年金保険料の前納に、クレジットカードが使えるようになりました。

公共料金もポイント対象となっているクレジットカードの場合、2年分前納することで「37万円」分のポイントが手に入ります。

なお、『公共料金の支払いについてはポイント対象外とするクレジットカードが増えています』

必ず、自分の手持ちのカードの窓口に問い合わせて、「国民年金保険料の支払い」がポイント対象であることを確認しましょう。

また、せっかく一括払いしても資金繰りが苦しくなり、リボ払いをするようでは、ポイントの金額など吹っ飛んでしまいます。自分の収入と照らし合わせて、前納を考えましょう。

フリーランスの人は、上の2つの利点を検討して、2017年2月末までに申し出をしましょう。

【お詫びと訂正】初出時に、『「16,490円」へ230円の値下げ』と記述しておりました。正しくは『「16,490円」へ230円の値上げ』です。お詫びして訂正させていただきます。ご教示いただいた読者の方に感謝いたします(2017年5月17日)

[シニアガイド編集部]