認知機能は50歳から低下。「認知機能チェック」1万人データで判明

[2017/2/6 00:00]

認知症専門サイト「認知症ねっと」が公開している「認知機能チェック」の受検者が1万人を超えました。

蓄積されたデータを基に、「ひろかわクリニック」の広川慶裕(ひろかわ よしひろ)院長による分析結果が発表されています。

広川院長によれば「認知機能は50歳頃より徐々に低下をはじめ、55歳頃から明らかな低下がみられる」としています。

分析結果グラフ。縦軸が得点、横軸が年齢。 出典:「認知症ねっと」

また、次の5つの特徴が指摘されています。

  • 認知機能は50歳頃には低下を開始する
  • 認知機能の中でも高次な「遂行力」「判断力」がより早期に低下している
  • 「言語能力」は70歳頃まで比較的機能が保たれる傾向がある
  • 「記憶力」のうち「ワーキングメモリ」「遅延再生」の機能は50歳頃から低下が始まるが、「エピソード記憶」機能は70歳頃まで保たれる
  • 「判断力」のうち「注意力」が、他の機能に比べて早くから大きく低下する傾向がある

詳細な分析結果はPDFファイルとして公開されています。

年齢に関わらず、一度お試しを

分析の対象となった「認知機能チェック」は、認知機能の低下を5分程度でセルフチェックし、認知症の予防を促すことを目的としたものです。

認知機能を「記憶力」「計算力」「言語能力」「遂行能力」「判断力」の5つに分類し、それぞれの機能に対応した簡単な問題を解きます。

評価は各分野20点です。5つの分野を合わせて、100点満点で自分の認知機能の状態がわかります。

問題の内容は、毎回変化するので、繰り返しテストが受けられます。ユーザー登録すれば、自分の記録を保存することもできます。

この「認知機能チェック」のテスト内容は簡単なもので、医師の診断の代わりになるものではありません。

しかし、ある程度は現在の自分の能力がわかるので、認知症に対する過剰な不安を解消することができます。

今回の分析で、認知機能の低下は、比較的若い年代から始まっていることがわかりました。あなたの年齢に関わらず、一度試してみることをおすすめします。

[シニアガイド編集部]