幸せな二世帯住宅は、世帯ごとにキッチンとバスルームが独立している
旭化成ホームズ「二世帯住宅研究所」が、二世帯住宅のタイプ別の住み心地を調査しています。
全国の二世帯住宅に暮らす622人に、インターネットによる調査を行なっています。
図とグラフは、同社のリリースに依ります。
独立型と一体型を比較
今回の調査で比較しているのは、「一体同居住宅」と「独立二世帯住宅」です。
「一体同居住宅」は、キッチン、浴室、玄関を、親世帯と子世帯で共有している二世帯住宅です。ここでは「一体型」と呼びます。
「独立二世帯住宅」は、建物は1つですが、キッチン、浴室、玄関は、すべて独立しています。ここでは「独立型」と呼びます。
9割が同居に満足
同居についての満足度は、独立型が9割、一体型が6割と大きな差があります。
親とは別の家に住んでいる感覚
一体型に住んでいる人は、9割近くが「同じ家に住んでいる」と感じています。しかし、独立型に住んでいる人では3割しかいません。
独立型に住んでいる人の7割は「別々の家に住んでいる」と感じています。
同じ二世帯住宅であっても、住宅のタイプによって、世帯同士の距離感が異なることが分かります。
夕食も別々にとる
独立型に住んでいる人の7割は、親世帯と一緒に夕食を食べるのは「月に1回以下」です。
一方、一体型では「月に1回以下」は2割で、5割以上の人は「毎日」一緒に夕食を食べています。
同居しているのに、見かけない日がある
独立型では、6割以上の人が「同居している母を見かけない日がある」と回答しています。
さらに「3日以上見かけない日がある」人も3割を超えます。
「見かけない日」があるという回答が1割に留まっている一体型とは大きな差があります。
間取りは経済的な距離感にも影響する
ここまでのデータでも、独立型に住んでいる人は、一体型に住んでいる人とは、世帯同士の距離感が大きいことがわかりました。
では、お金についてはどうでしょう。
「相手世帯に経済的に頼ることがある」という人も、独立型の方がずっと少なくなっています。
生活にある距離感が、金銭的にも距離を置くことにつながっているのでしょう。
必要なときだけ交流すれば良い
旭化成ホームズでは、調査結果を基に、『日常でストレスがたまるような「生活リズムを無理に合わせる」ことをせずそれぞれの生活を大切にすることで、両世帯の交流にメリハリがついて親・子世帯間の関係にもプラスに働く 』とまとめています。
二世帯住宅というと、「せっかく同じ家に住んでいるのだから、お互いの行動も共有したほうがよい」と考えがちですが、キッチンや浴室などのプライバシーに関わる部分は分離して「必要なときだけ交流する」という考え方もあって良いと思います。
付録:独立二世帯住宅の間取り例
最後に「独立二世帯住宅」の間取り例を紹介します。
子育てを中心とした世帯間交流をしながら、各世帯の暮らしの独立性も保ちたいという「近居」的な感覚も取り入れた分離度の高い独立二世帯住宅プランです。
親世帯が孫の面倒を見る場合でも、子世帯のプライバシーが守られる間取りが特徴となっています。