幸せな二世帯住宅は、世帯ごとにキッチンとバスルームが独立している

[2017/2/14 00:00]

旭化成ホームズ「二世帯住宅研究所」が、二世帯住宅のタイプ別の住み心地を調査しています。

全国の二世帯住宅に暮らす622人に、インターネットによる調査を行なっています。

図とグラフは、同社のリリースに依ります。

独立型と一体型を比較

今回の調査で比較しているのは、「一体同居住宅」と「独立二世帯住宅」です。

「一体同居住宅」は、キッチン、浴室、玄関を、親世帯と子世帯で共有している二世帯住宅です。ここでは「一体型」と呼びます。

「独立二世帯住宅」は、建物は1つですが、キッチン、浴室、玄関は、すべて独立しています。ここでは「独立型」と呼びます。

「独立二世帯住宅」と「一体同居住宅」の違い

9割が同居に満足

同居についての満足度は、独立型が9割、一体型が6割と大きな差があります。

独立型の住人は「(親とは)別の家に住んでいる」と感じている人が多い

親とは別の家に住んでいる感覚

一体型に住んでいる人は、9割近くが「同じ家に住んでいる」と感じています。しかし、独立型に住んでいる人では3割しかいません。

独立型に住んでいる人の7割は「別々の家に住んでいる」と感じています。

同じ二世帯住宅であっても、住宅のタイプによって、世帯同士の距離感が異なることが分かります。

独立型の住人は「(親とは)別の家に住んでいる」と感じている人が多い

夕食も別々にとる

独立型に住んでいる人の7割は、親世帯と一緒に夕食を食べるのは「月に1回以下」です。

一方、一体型では「月に1回以下」は2割で、5割以上の人は「毎日」一緒に夕食を食べています。

夕食を一緒に食べる頻度にも大きな差がある

同居しているのに、見かけない日がある

独立型では、6割以上の人が「同居している母を見かけない日がある」と回答しています。

さらに「3日以上見かけない日がある」人も3割を超えます。

「見かけない日」があるという回答が1割に留まっている一体型とは大きな差があります。

同居している母を見かけない日がある頻度

間取りは経済的な距離感にも影響する

ここまでのデータでも、独立型に住んでいる人は、一体型に住んでいる人とは、世帯同士の距離感が大きいことがわかりました。

では、お金についてはどうでしょう。

「相手世帯に経済的に頼ることがある」という人も、独立型の方がずっと少なくなっています。

生活にある距離感が、金銭的にも距離を置くことにつながっているのでしょう。

独立型は金銭面でも世帯同士の距離がある

必要なときだけ交流すれば良い

旭化成ホームズでは、調査結果を基に、『日常でストレスがたまるような「生活リズムを無理に合わせる」ことをせずそれぞれの生活を大切にすることで、両世帯の交流にメリハリがついて親・子世帯間の関係にもプラスに働く 』とまとめています。

二世帯住宅というと、「せっかく同じ家に住んでいるのだから、お互いの行動も共有したほうがよい」と考えがちですが、キッチンや浴室などのプライバシーに関わる部分は分離して「必要なときだけ交流する」という考え方もあって良いと思います。

付録:独立二世帯住宅の間取り例

最後に「独立二世帯住宅」の間取り例を紹介します。

子育てを中心とした世帯間交流をしながら、各世帯の暮らしの独立性も保ちたいという「近居」的な感覚も取り入れた分離度の高い独立二世帯住宅プランです。

親世帯が孫の面倒を見る場合でも、子世帯のプライバシーが守られる間取りが特徴となっています。

独立二世帯住宅の間取り例
[シニアガイド編集部]