消費者庁が水素水の効用について「合理的根拠がない」として摘発

[2017/3/8 00:00]
措置命令を受けた「水素たっぷりのおいしい水」 出典:消費者庁

水素水メーカー3社に措置命令

消費者庁が水素水のメーカー3社に、景品表示法違反に基づく措置命令を出したことが話題となっています。

対象となったのは、マハロ、メロディアンハーモニーファイン、千代田薬品工業の3社の製品です。

消費者庁では、3社の製品が、表示を裏付ける合理的根拠が示されず、優良と誤認させると認定しました。

マハロの「ビガーブライトEX」と千代田薬品工業の「ナチュラ水素」については、『あたかも、対象商品を摂取するだけで、特段の運動や食事制限をすることなく、著しい痩身効果が得られるかのように示す表示をしていた。』としており、水素水にダイエット効果があるかのように表示したことに、合理的根拠がないとしています。

メロディアンハーモニーファインの「水素たっぷりのおいしい水」については、ダイエットに加えて、「血糖値の上昇を抑制」「炎症を抑制し、肩こりや筋肉痛を軽減、ニキビ、吹き出もの、かぶれを解消する効果が得られる」についても、合理的根拠がないとしています。

消費者庁では、『当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたが、当該資料は当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められなかった』としています。

措置命令の内容と罰則

措置命令として、次の3点が義務付けられました。

  • 表示は、対象商品の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
  • 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
  • 今後、表示の裏付けとなる合理的な根拠をあらかじめ有することなく、同様の表示を行わないこと。

措置命令に従わない場合は、会社の代表者に懲役や罰金が、会社にも罰金が課せられます。

すでに3社は、自社のホームページ上に「お詫びとお知らせ」を掲載しており、措置命令を受け入れるもようです。

昨年から水素水に対して行政が動いていた

水素水については、2016年12月に国民生活センターが、水素水の溶存水素濃度などについてテストし、結果を公開しました。

その際に、「水素水には公的な定義等がなく溶存水素濃度も様々です。また、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として許可、届出されたものは、現在のところありません」という表現で、水素水に対して警鐘を鳴らしています。

また、行政に対して「医薬品医療機器等法や健康増進法、景品表示法に抵触するおそれがありますので、事業者に対し、表示の改善を指導するよう要望」していました。

今回の消費者庁の措置命令は、国民生活センターの発表よりも、水素水の効用について踏み込んだ形となっており、他の水素水製品についても影響することが予想されます。

[シニアガイド編集部]