「フリーランス」になった年齢と、そのきっかけ

[2017/3/23 00:00]

「フリーランス」という働き方

ここ数年、「フリーランス」または「SOHO」などの言葉を耳にするようになりました。

おおよその意味は、自宅を拠点として一人で働く自営業者という働き方です。

ここからは「フリーランス」という言葉で代表することにします。

これまで会社員を止めて起業する場合は、自分で会社を立ち上げて組織の拡大を図る「スタートアップ」を前提とすることが多かったのですが、「フリーランス」は自分の技能を活かして一人で活動することが前提です。

この記事では、中小企業庁が行なった調査を基に、現在、フリーランスとして活動している人が、いつ、なにをきっかけとしてフリーランスになったのかを紹介します。

グラフは、調査データを基に編集部が作成しました。

「フリーランス」の職種

最初に、「フリーランス」という働き方のイメージをつかむために、調査対象となった人の職種を見てみましょう。

1位は「デザイナー」、2位は「システムコンサルタント、ソフトウェア作成者」、3位は「著述家(小説家、脚本家など)」でした。

単に自宅で作業していれば「フリーランス」というわけではありません。いずれも、一人で活動でき、深い専門知識と高い創造力が必要とされる職種です。

この上位3つで、全体の半分以上を占めています。また、4位以下も「翻訳家」「建築技術者」など、専門性の高い職業が多くなっています。

「フリーランス」はいつフリーランスになったのか

では、「フリーランス」になった人は、何歳のときにフリーランスになったのでしょう。

1位が「30代」で、2位が「40代」でした。この2つで、全体の6割を超えています。

30代~40代は、ある程度の実務経験を積み、人脈も形成している一方で、独立するだけの体力と気力がある時期と言えるでしょう。

「フリーランス」の前職

フリーランスになった人は、その前には何をしていたのでしょう。

1位は「小規模事業者の役員・正社員、個人事業主」でした。

2位は「中小企業の役員・正社員」、3位は「大企業の役員・正社員」です。

3位までで8割弱を占めています。

つまり、フリーランスの前職は、企業で実務に就いていた人がほとんどです。

「学生」からそのままフリーランスになる人は、ほとんどいません。

前職はどれぐらい勤めていたか

フリーランスになる前の職業は、何年勤めていたのでしょう。

1番多いのは「5年以上10年未満」で、次が「10年以上15年未満」でした。

この2つで、全体の4割を占めています。

やはり、ある程度長く勤めて、実務経験を積んでいる人が多いようです。

自分の意思でフリーランスになったのは7割

フリーランスになったきっかけは、「自らの意思で進んでフリーランスになった」が7割以上を占めています。

「必要に迫られてフリーランスになった」は3割弱でした。

フリーランスの大半は、自分の意思で「フリーランス」という働き方を選んだことが分かります。

進んでフリーランスになる人は「自分のスキルを試すため」

「自分の意思でなった人」と、「必要に迫られてなった人」では、フリーランスになった理由が違います。

自分の意志でなった人は、「自己のスキルがどこまで通用するか試すため」が1番多く、4割を超えています。

2位も「新たな事業にチャレンジするため」、3位は「収入を上げたかったため」でした。

いずれも積極的な理由でチャレンジ精神が感じられます。

必要に迫られてなった人は「組織で働くことに疑問を感じた」

一方、「必要に迫られてなった人」は、「会社等の組織で働くことに疑問を感じたため」が1位でした。

2位は「就職先が見つからなかったため」で、3位は「勤めていた会社等が倒産や買収で無くなったため」でした。

いずれも、会社員という働き方をしたくないか、できなかったことが理由となっています。

ある程度の経験と意欲のある人がフリーランスになる

今回は、フリーランスとして働いている人が、いつ、どのような理由でフリーランスになったのかを見てきました。

その結果、30代~40代にかけて、それなりに会社員などとして働いたあとでフリーランスになったことがわかりました。

また、自分の意思でなった人が7割を超えており、仕事への意欲の強さが感じられます。

[シニアガイド編集部]