「運転代行サービス」を良く利用するのは「東北」「北関東」と「北陸」

[2017/4/9 00:00]

運転代行サービスに関するアンケート

調査会社のGfKジャパンが、「運転代行サービスの利用に関する調査」の結果を公開しています。

この調査はインターネットを通じて、全国のドライバー10,733名に対して行なわれました。

運転代行サービスについて、利用者側からみたアンケートは珍しいので、紹介しましょう。

運転代行サービスの仕組み

「運転代行サービス」については、馴染みのない方も多いと思われるので、最初に仕組みを説明しましょう。

運転代行サービスは、飲酒などで自分が運転できない場合に、代わって運転してくれるサービスです。

近年は、飲酒運転の取り締まりや罰則が厳しくなったため、運転代行の需要が増え、業者数が増加しています。

運転代行サービスの仕組みは、次のようになっています。

  • 運転代行サービスを依頼すると、1台の自動車に2人の業者が乗ってきます。
  • 業者の1人が依頼人の自動車を運転し、依頼人を乗せて目的地まで走ります。
  • もう1人は乗ってきた自動車を運転し、依頼人の自動車の後ろに付いて走ります。
  • 目的地まで運転が終了すると、乗ってきた自動車に2人で乗って帰ります。

運転代行サービスには、業務用の「第二種運転免許証」が必要です。

そのため、第二種運転免許証を持っている従業員がいるタクシー会社が、運転代行サービスを始める例もあります。

また、運転代行サービスを行なう会社も、都道府県公安委員会の認可が必要です。

自動車運転代行業の一般的な形態 出典:警察白書

運転代行サービスの利用は地域差が大きい

運転代行サービスを利用した経験があるドライバーは、全体の「23%」でした。

地域による差は大きく、「東北」が48%、「北関東」と「北陸」が46%と高くなっています。

一方、「首都圏」「東海」「近畿」などでは10%程度に留まっています。

GfKジャパンでは、「運転代行サービスの利用経験は、電車など公共交通網の充実度合いに深く関係することが伺える」と分析しています。

出典:GfKジャパン

若い人ほど良く利用している

運転代行サービスを利用したことがある人のうち、過去1年以内に利用したことがある人は「46%」でした。

1年間の平均利用回数は「1.9回」でした。多くの人が、2回以上利用していることが分かります。

年代別では若い人が良く利用しており、20代以下では過去1年以内に「68%」の人が利用しています。

出典:GfKジャパン

運転代行サービスを頼む理由は「飲酒」

運転代行サービスを利用した理由は、「飲酒をした時(冠婚葬祭・ゴルフ・接待を除く)」が9割以上を占めました。

「接待の時」、「冠婚葬祭の送迎時」、「ゴルフの送迎時」、「体調不良の時」などは、1割未満でした。

つまり、あらかじめ飲酒することがわかっている場合は、運転代行サービスではなく、迎えの手配などを準備をしているのでしょう。

運転代行サービスは、「予定していない飲酒をした場合に使う手段」として認識されているようです。

これは、運転代行サービスの仕組み上、2人の人間と自動車1台がセットで動くため、一般的なタクシーよりも料金が高くなることも理由の1つでしょう。

料金は地域や業者によって異なりますが、5km以下の移動で最低2,000円以上、東京都内では5,000円以上という例もあります。

[シニアガイド編集部]