「運転代行サービス」を良く利用するのは「東北」「北関東」と「北陸」
運転代行サービスに関するアンケート
調査会社のGfKジャパンが、「運転代行サービスの利用に関する調査」の結果を公開しています。
この調査はインターネットを通じて、全国のドライバー10,733名に対して行なわれました。
運転代行サービスについて、利用者側からみたアンケートは珍しいので、紹介しましょう。
運転代行サービスの仕組み
「運転代行サービス」については、馴染みのない方も多いと思われるので、最初に仕組みを説明しましょう。
運転代行サービスは、飲酒などで自分が運転できない場合に、代わって運転してくれるサービスです。
近年は、飲酒運転の取り締まりや罰則が厳しくなったため、運転代行の需要が増え、業者数が増加しています。
運転代行サービスの仕組みは、次のようになっています。
- 運転代行サービスを依頼すると、1台の自動車に2人の業者が乗ってきます。
- 業者の1人が依頼人の自動車を運転し、依頼人を乗せて目的地まで走ります。
- もう1人は乗ってきた自動車を運転し、依頼人の自動車の後ろに付いて走ります。
- 目的地まで運転が終了すると、乗ってきた自動車に2人で乗って帰ります。
運転代行サービスには、業務用の「第二種運転免許証」が必要です。
そのため、第二種運転免許証を持っている従業員がいるタクシー会社が、運転代行サービスを始める例もあります。
また、運転代行サービスを行なう会社も、都道府県公安委員会の認可が必要です。
運転代行サービスの利用は地域差が大きい
運転代行サービスを利用した経験があるドライバーは、全体の「23%」でした。
地域による差は大きく、「東北」が48%、「北関東」と「北陸」が46%と高くなっています。
一方、「首都圏」「東海」「近畿」などでは10%程度に留まっています。
GfKジャパンでは、「運転代行サービスの利用経験は、電車など公共交通網の充実度合いに深く関係することが伺える」と分析しています。
若い人ほど良く利用している
運転代行サービスを利用したことがある人のうち、過去1年以内に利用したことがある人は「46%」でした。
1年間の平均利用回数は「1.9回」でした。多くの人が、2回以上利用していることが分かります。
年代別では若い人が良く利用しており、20代以下では過去1年以内に「68%」の人が利用しています。
運転代行サービスを頼む理由は「飲酒」
運転代行サービスを利用した理由は、「飲酒をした時(冠婚葬祭・ゴルフ・接待を除く)」が9割以上を占めました。
「接待の時」、「冠婚葬祭の送迎時」、「ゴルフの送迎時」、「体調不良の時」などは、1割未満でした。
つまり、あらかじめ飲酒することがわかっている場合は、運転代行サービスではなく、迎えの手配などを準備をしているのでしょう。
運転代行サービスは、「予定していない飲酒をした場合に使う手段」として認識されているようです。
これは、運転代行サービスの仕組み上、2人の人間と自動車1台がセットで動くため、一般的なタクシーよりも料金が高くなることも理由の1つでしょう。
料金は地域や業者によって異なりますが、5km以下の移動で最低2,000円以上、東京都内では5,000円以上という例もあります。