23区内の賃貸アパート市況は、「豊島区」「渋谷区」「荒川区」が好調
市況が良い「豊島区」「渋谷区」「荒川区」
不動産評価Webサイトを運営する株式会社タスが、首都圏の賃貸住宅市場レポートを公開しています。
東京23区では「豊島区」「渋谷区」「荒川区」の3つの区で、市況が「良い」になっています。
3区とも、東京23区の内側に位置する区で、東京23区中心部の市場の強さが際立っています。
前期に比べて、「千代田区」「目黒区」「中央区」「渋谷区」「豊島区」の市況が向上し、トレンドが上昇に向かっている地域の数も増えています。
首都圏でもアパートの供給は過剰
首都圏である1都3県の賃貸住宅の市況図を見ると、「良い」や「やや良い」の地域はありません。
「東京23区」「千葉市」「川崎市」「横浜市」が「やや悪い」で、他の地区は「悪い」です。
「東京市部」「さいたま市」「川崎市」「横浜市」「千葉市」はトレンドが上昇していますが、これらの地域では相続税対策で建設されるアパートが多いと考えられるため、供給が過剰になりやすくなっています。
タスでは「引き続き市況の変化に注意が必要」としています。
アパート経営を検討する際は市況を見よう
タスによれば、比較的市況の良い「東京23区」でも、2017年2月現在の指標は次のようになっています。
- 空室率TVI(ポイント):11.82
- 募集期間(カ月) :2.87
- 更新確率(%) :38.40
- 中途解約確率(%) :41.15
全体の11%は空室で、空室の募集をしても次の入居者が決まるまで3カ月近くかかります。
賃貸住宅は、一定期間の契約ですが、次の期に契約が更新される確率は38%しかありません。
また、期の途中で解約される確率が41%もあります。
タスの分析にもあるように、相続税対策のために、手持ちの土地に賃貸アパートの建設を行なう例は多く、供給は過剰気味です。
賃貸アパートの建設と経営を検討する際は、「建てたからと言って満室になるとは限らない」「空室が出た場合に、すぐに埋まるとは限らない」ということは頭に入れて、資金計画を検討しましょう。
逆に借りる側から言えば、一部の区を除けば、賃貸アパートが借りやすい状況にあると言えます。