「1人当たり医療費」が高い県は「後期高齢者医療制度の保険料」も高い
都道府県によって医療費に大差がある
75歳以上の国民が加入する「後期高齢者医療制度」は、都道府県ごとに設置された広域連合が運営しています。
都道府県ごとに、医療の状況は大きく異るので、「1人当たりの医療費」にも大きな差が出てきます。
「1人当たり医療費」が、もっとも高い「福岡」では年間で119万円、もっとも低い「新潟」は75万円です。
その差は「1.58倍」もあります。
なお、1人当たり医療費が高いのは「福岡」「高知」「北海道」「長崎」「佐賀」の順で、医療費が低いのは「新潟」「岩手」「秋田」「静岡」「千葉」です。
全都道府県の一覧は、記事末の表を見てください。
全国平均では「95万円」、東京都は「94万円」です。
医療費が高い県は、保険料も高い
「1人当たり医療費」が高いと、その負担は保険料に影響してきます。
条件が統一されている「年金で年間188万円の収入がある人の保険料」で比べてみましょう。
この条件で、もっとも保険料が高いのは、医療費が1番高い「福岡」で、月額「3,965円」です。
逆に、もっとも保険料が安いのは、医療費が1番低い「新潟」で、月額「2,508円」です。
つまり、医療費の高低が、そのまま保険料の高低につながっています。
福岡と新潟では、月額の差が「1,457円」あります。
1年間では「17,484円」違いますから、188万円の年金収入に対する負担感の差が大きいでしょう。
全国平均は「3,213円」、東京都は「3,083円」です。
保険料がお得な県はあるか
「1人当たり医療費」が大きい県は、「保険料」が高く設定されていますが、例外もあります。
例えば「長崎」は、医療費の大きさは4位ですが、保険料は21位です。
同じように、「広島」は医療費が7位ですが、保険料は23位です。
この2県は、「医療費の大きさに比べて支払う保険料が少なく、現時点ではお得な県」と言えるでしょう。
しかし、「医療費の負担が大きいため、将来、保険料が値上げされる可能性が高い」とも言えるので油断はできません。
なお、全体的な傾向として、「北海道と西日本は1人当たり医療費が高く、東日本は低い」傾向があります。
1人当たり医療費が高くなっている県は、いろいろな対策を行なっています。
最終的には、自分たちの保険料にも影響することですから、できるだけ協力していきましょう。