年金保険料を「未納」している人は、全体の「3%」
年金保険料の未払い率は「約3%」
「年金保険料って高いなぁ」と思いませんか。
特に、フリーランスなどの「国民年金第1号被保険者」の場合、「天引き」ではなく、銀行振込や口座からの引き落としで年金保険料を支払うので、負担が重く感じます。
さらに、サラリーマンと違って、会社が半額を負担してくれたりしません。全額が自己負担です。
それもあってか、第1号被保険者の年金保険料の納付率は、だいたい70%前後しかありません。
つまり、30%ぐらいの人は、「未納」になっています。
では、公的年金加入者全体では、未納の人の割合はどれぐらいなのでしょう。
実は「約3%」です。
意外に低いと感じる人が多いのではないでしょうか。
どうして、そんな数字になるのか、厚生労働省の資料を基に紹介します。
サラリーマンには「未納」という選択肢はない
国民年金に加入している人は、次の3つに分類されます。
- 第1号被保険者(農業、フリーランス、学生など)
- 第2号被保険者(会社員、公務員)
- 第3号被保険者(第2号に扶養されている配偶者)
このうち、第2号であるサラリーマンを例に取ると、企業が個人の負担分を天引きし、それに企業の負担分を足して納付します。
この手続きに支障があると、企業にとって結構面倒なことになるので、納付率はほぼ100%です。
つまり、「年金保険料を未納にする」という選択は、事実上、第1号被保険者しかできません。
未納者の数は「206万人」で、全体の3%
第1号被保険者の未納者は「206万人」です。
公的年金の加入者数が「6,710万人」ですから、その「3%」にあたります。
逆に言えば、年金加入者の「97%」は、きちんと年金保険料を払っていることになります。
未納にするなら、免除や猶予の道を探ろう
厚生労働省から毎月公開される「国民年金保険料の納付率」では、第1号被保険者のうち保険料を支払う義務がある人に対する未納者の割合を発表しています。
そのため、納付率は70%前後の数字となっています。つまり、30%の人は年金保険料を納めていません。
しかし、実際には第1号被保険者には、さまざまな事情により、保険料を免除されたり、猶予されている人がいます。
それらを含めて、「未納者」の割合を計算すると、30%ではなく「12.4%」になります。
ときどき「年金を払っていない人は30%もいるんでしょう。そんなに払わない人が多いなら、私も払わなくて良いんですよ」と言ったり、書いたりする人がいます。
しかし、第1号被保険者全体から見れば、未納者は12%ですし、公的年金加入者全体からみれば3%です。みんながやっているから大丈夫と思っていると、足元をすくわれかねません。
さらに、制度としての公平性の問題もあって、年金の取り立ては、年を追うごとに厳しくなっています。財産の差し押さえに至った例も1万件を超えています。
金銭的な事情などで、年金保険料が納付できない場合は、「未納」ではなく「免除」や「猶予」の制度を利用することを考えましょう。