「オーガニック」と「エコ」は購買意欲をそそるキーワード
7つの社会的消費関連キーワードの反応を見る
良い社会を目指すために、社会や環境に配慮した製品を優先する消費活動を「社会的消費」や「倫理的消費」と呼びます。
調査会社のインテージリサーチが、「社会的消費に関する意識調査」の結果を公開しています。
この調査は、全国の20~69歳の男女1万人を対象に、2017年3月にインターネット上で行なわれたものです。
社会的消費に関連する「キーワード」を7つ選び、そのキーワードが購買意欲をそそるかどうかを聞いています。
購買意欲をそそるのは「オーガニック」と「エコ」
7つのキーワードを、購買意欲を刺激される順に並べています。
女性の1位は「オーガニック(有機栽培)」、男性の1位は「エコ(自然環境保全)」でした。
この2つは、50%を超える支持があり、効果的なキーワードであることが分かります。
三番目は「ハンドメイド(手作り)」ですが、上位2つとは、10%ほど差があります。
「フェアトレード(公平な貿易)」と「ロハス(健康と環境)」は、全体の4人に1人ぐらいに留まっています。
「サステナブル/サステナビリティ(持続可能)」と「エシカル(倫理的)」は、ほとんど購買意欲に影響していません。
女性の方がキーワードに敏感
社会的消費に関連するキーワードにより「購買意欲が刺激される」割合は、男性が35.2%、女性が55.0%で、女性の方が高いことが分かりました。
なお、女性の方が、キーワードへの反応が強い傾向は、年代を問いません。
これらのキーワードに反感を持つ人も17%いる
社会的消費については、2017年4月に消費者庁の倫理的消費調査研究会が「あなたの消費が世界の未来を変える」というレポートを発表したことをきっかけに、活動が活発になっています。
しかし、現時点では実態が見えにくく、一過性のブームになってしまう可能性もあります。
また、社会的消費に対しては、「上から目線である」「偽善的」などの印象から反発する人もいます。
今回の調査でも、社会的消費に冠するキーワードに対して、肯定的な「買いたいと影響される」人は45%でした。
中立的な「特に影響されない」人が38%です。
そして、否定的な「これらの言葉を見ると、却って買いたくないと思う」人も17%います。
メーカーが、社会的消費に冠するキーワードを使用する場合は、製品の内容がふさわしいものであることを検証するとともに、一定の割合で反発する層がいることも考慮に入れる必要があるでしょう。