ほとんどの医師は「ネット検索で適切な医療情報を得るのは難しい」と考えている
現役医師に対するアンケート
オンライン医療相談サービスを運営しているMediplatが、「インターネット上の医療・健康情報」についてのアンケート結果を公開しています。
2017年12月に行なわれたアンケートには、現役の医師530人が回答しています。
「検索」で正しい情報にたどりつくのは難しい
「一般の人がインターネット検索で自分の症状に合った正しい情報にたどり着けるか」という質問に対して、9割の医師が「容易ではない」と答えています。
コメント
- 情報の信頼性を一般の人が判断するのは難しいと思う。(精神科医)
- 悪い情報ばかり目についてしまうようです。(産婦人科医)
- 不安を煽る内容に踊らされないことが大切。(一般内科医)
最終的には、「自身の症状はインターネットで検索するよりもまず医師など医療従事者に聞いてほしい」と回答している医師が77%を占めています。
購買につながるものや、断定的口調のサイトは危ない
「疑わしいと感じる医療・健康情報サイトには、どのような傾向があると思いますか」と聞いています。
コメント
- 一般的に言われている事は間違っているんだみたいな表現で、人の気をひく。(一般内科医)
- 良い事しか書いていない、あるいは不安をあおるような内容のサイト。(腎臓内科/透析医)
- センセーショナルだったり、過度に断定的な言い方をするサイトは疑わしく思います。(精神科医)
ほかにも、疑わしいサイトの傾向として、商品の販売につながるものや、情報の出所が明記されていないものが挙がっています。
情報源を確認することが一番大事
「一般の方が、医療・健康情報をインターネット検索して正しい情報にたどり着くためには、どのような点に注意すればいいと思いますか」と聞いています。
コメント
- 中立で、一般的に信頼されている医療施設や製薬会社などの医療情報サイト、厚生労働省HPなどを利用すること。(一般外科医)
など、情報の出所が信頼できる機関であることを確認するという意見が主流です。
一度は、医師の診断を受けよう
今回のアンケートは、2017年12月に公開された、「医療や健康に関連する検索結果の改善について」というGoogleの意思表示を受けたものです。
このブログでは、改善内容について、次のように述べています。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。
この改善の背景には、2016年11月に明らかとなった、DeNA(ディー・エヌ・エー)のキュレーションサイト「WELQ(ウェルク)」における、信憑性の低い医療情報掲載があります。
WELQについては、最終的な報告書でも「医療に関する記事にユーザーに対する配慮を欠いた内容が記載されており、倫理的に問題のある記事が掲載されていた」と判断されています。
WELQは閉鎖されましたが、投稿者に情報の信頼性を依存するキュレーションサイトや、業者のサイトへ誘導することで収入を得ているアフィリエイトサイトが検索の上位に表示される状態は変わっていません。
そのため、検索を担っているGoogle自体が、検索の評価方法を改める事態となりました。
ネット検索に限らず、「新聞」「テレビ」「雑誌」などで掲載されている医療情報は、視聴者や読者の関心を引くために「大げさに」なりがちです。
それらの情報を基にして、自己判断を下す前に、一度は、医師に診断してもらいましょう。