賃貸住宅市場は、やや好転。ただし、将来の見通しは悲観的
[2018/6/1 00:00]
不動産評価サイトによる不動産市場の見通し
不動産評価Webサイト「TAS-MAP」を運営する、株式会社タスが、「不動産市場の現況は昨年より好転するも賃貸市場の将来見通しは悲観的」という分析結果を公開しています。
タスでは、自社サイトのユーザーアンケートを基にして、次のように分析しています。
売買市場は、2017年に比較して2018年は全ての地域で現在市況D.I.が高くなっており、市況が好転したことが判ります。一方で将来市況D.I.は、首都圏とその他地域でさらに好転すると見ていますが、関西圏では横ばい、中京圏では若干悪化すると見ています。
賃貸市場についても、2017年に比較して2018年は全ての地域で現在市況D.I.が高い数値となっており、市場が好転したことを示しています。しかし、首都圏とその他地域で現在市況DIが50を超えたのに対して、関西圏と中京圏では46前後と厳しい状況が続いていることが判ります。
また、将来市況D.I.は全ての地域で50を下回っており、今後の見通しについては悲観的であることが判ります。相続税改正やマイナス金利導入の影響で2017年までに賃貸住宅が大量に供給された影響を懸念した結果と考えられます。
ただし2018年は、金融庁によるアパートローン審査体制の考査が強化されていることに加え、年初に発生した「かぼちゃの馬車」問題の影響を受けて金融機関の貸出態度が硬化していることから、賃貸住宅の供給量が減少し、市場が好転する可能性があります。
DIが50を切っていると市場は悪化
上の解説に出てくる「DI」はディフュージョン・インデックスの略で、景気動向指数の1つです。
この場合は、その市場の景気が拡大すれば100、悪化すれば0となります。
50が景気の拡大と悪化の分かれ目となります。
今回の分析で明らかになったのは、不動産市場においては、昨年よりはDIが上昇していますが、まだ50を切っており、見通しは悲観的であるということです。
不動産の購入や、不動産関係の投資にあたっては、こういう分析結果があることを頭に入れておくと良いでしょう。