亡くなった家族の戸籍謄本の集め方

[2018/6/12 00:00]

戸籍謄本が必要となる場合

家族が亡くなって、それに伴う処理をしていると、「戸籍謄本(こせきとうほん)」が必要になります。

例えば、故人が掛けていた生命保険の保険料の受け取りや、相続の手続きなどでは、戸籍謄本が必ず必要となります。

これは、故人と、保険金や遺産を受け取る人との関係を明確にするためです。

しかし、戸籍謄本の取得には、それなりの手間がかかります。

ここでは、郵送で戸籍謄本を受け取るための、基本的な手続きを紹介しましょう。

なお、戸籍のコンピューター化に伴い、戸籍謄本は「全部事項証明書」、戸籍抄本は「個人事項証明書」という名前になっています。

ここでは分かりやすさを優先して、「戸籍謄本」「戸籍抄本」と呼んでいますので、ご了承ください。

また、戸籍謄本を取る人と、故人との関係は、親子などの直系親族とします。

郵送でお願いする手順

戸籍謄本の取り寄せの手順は、次の手順で行ないます。

  • 故人の戸籍を正確に把握する
  • 現在の地名に置き換えて、請求する窓口を確定する
  • 郵送の窓口に請求手続きを行なう

まず、最初に、故人が亡くなったときに属していた「本籍」を確認します。

正確な戸籍が不明な場合は、「死体埋火葬許可証」などで確認します。

手元に書類が無い場合は、死亡届を出した役所で「住民票の除票」を取ると確認できます。

ここでは、一つの例として、「大分県大分市 大字横瀬」が本籍だったとしましょう。

調べてみると、この住所は、現在も「大分県大分市横瀬」として残っていることが分かりました。

したがって、戸籍謄本は、「大分市」の窓口に請求することになります。

郵送でお願いするのに必要なもの

まず、大分市の「戸籍証明書等の郵便による請求方法」というページで、必要なものを確認します。

自治体によって、多少の差はありますが、だいたい次のものが必要です。

  • PDF形式で用意されている指定の書式に必要事項を記入
  • 費用分の「定額小為替(ていがくこがわせ)」
  • 自分の身分証明書のコピー
  • 切手を貼って、住所を書いた返信用封筒

なお、書類を送る封筒や、戸籍謄本を送ってもらう返信用封筒については、「レターパックライト」を使うと便利です。

「レターパックライト」を使うと、A4の書類を折らずに送れます。

また、定額なので切手代の金額に悩まずにすみますし、10桁の登録番号を使って、郵便物が現在どこにあるのか追跡することができます。

分からないときは「全部」請求する

実は、単に「戸籍謄本」は、一種類ではありません。

具体的に、どの書類が必要なのか素人に判断することは難しいでしょう。

何かが足りなくて再請求すると二度手間になるので、とりあえず全部取ることをおすすめします。

具体的には、「戸籍全部事項証明(戸籍謄本)」、「除籍全部事項証明(除籍謄本)」、「改製原戸籍(謄本)」、「戸籍附票(全部)」を請求します。

なお、請求する際に、請求に必要な書類とは別に、こういう理由で、こういう条件で戸籍謄本が必要となったということを書いた手紙を添えておくことをおすすめします。

例えば、「亡くなった父の生命保険を受け取るために“出生から死亡までの戸籍”が必要とされています」などと書きます。

役所の窓口は、こういう手続に慣れているので、携帯の電話番号も書き添えておくと、「その場合は、この書類も必要ではないか」と確認してくれることがあります。

手数料は「定額小為替」で準備する

多くの自治体では、戸籍謄本を発行してもらう際の手数料は、「定額小為替」が指定されています。

以前のように、切手や収入印紙では受け付けていませんから注意しましょう。

「定額小為替」は、郵便局で売っている「金券」のようなものだと考えてください。

発行手数料がかかりますが、現金と違って、普通郵便で送ることができます。

「定額小為替」の金額は、自分で考えた金額ではなく、3,000円から5,000円の定額小為替を入れます。

これは、「出生から死亡までの戸籍」の謄本の場合、戸籍が複数にまたがるため、手数料が増える場合が多いからです。そのため、少し多めに入れておくのがコツです。

最初の戸籍謄本が届いた後で

手続きに問題がなければ、だいたい1週間から2週間ほどで、戸籍謄本一式が届きます。

しかし、ほとんどの場合、これで終わりではありません。

「戸籍」は、基本的には結婚、離婚、養子縁組、養子離縁、認知によって、前の戸籍から移動します。

したがって、家族が死んだ際の戸籍を取り寄せても、「出生から死亡までの戸籍」が揃うとは限りません。

ほとんどの場合、送られて来た戸籍を調べると、別の戸籍から移って来たという記録があります。

例えば、「宮崎県北諸県郡山之口町大字富吉」にあった戸籍から入籍したとしましょう。

調べてみると、現在の「山之口町」は、北諸県郡ではなく「都城市」に統合されています。

「宮崎県北諸県郡」も、存続しているのですが、そこには所属していないのです。

平成の大合併以降、こういうことが増えているので、大字や町名による検索は欠かせません。

改めて、「都城市」のホームページにある「郵便による戸籍や住民票などの証明書の請求(個人向け)」を参照し、必要な書類や定額小為替を準備して、戸籍謄本の取り寄せを行ないます。

このようにして、その人の「出生から死亡まで」の期間が埋まるまで、さかのぼりながら戸籍謄本の請求を繰り返します。

代行には資格が必要

ここまで読んでくると、戸籍謄本を揃えるのは、とても大変な作業に感じられるかもしれません。

しかし、戸籍が変わるのは、ほぼ結婚に限られていますから、だいたい2~3カ所に請求を行なえば戸籍謄本が揃います。

それでも、「これはとてもやっていられない」「忙しい自分には無理」と思われた方も多いでしょう。

また、「連絡の取れない人の請求が必要」「複数の人間の戸籍謄本が必要」などの理由で、誰かに代行して欲しい場合もあるでしょう。

しかし、戸籍や住民票の請求を代行するには、一定の資格が必要であることが法律で決まっています。

具体的には、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士の8つです。

インターネットで「戸籍謄本 取り寄せ」などで検索すると、これらの資格を持っているようには見えない業者も含まれています。

依頼する際は、少なくとも、この8つの資格のいずれかを持っていることを確認してから依頼しましょう。

[シニアガイド編集部]