民泊利用者の83%は外国人、東アジア諸国が中心
新法施行後、初めてのレポート
観光庁が、民泊についての統計を公開しています。
民泊は、2018年6月15日に、いわゆる民泊新法と呼ばれる「住宅宿泊事業法」が施行されました。
これにより、民泊を行なうものは、「住宅宿泊事業者」と定義され、2カ月に一度は都道府県に報告を提出することになっています。
今回の統計は、民泊新法施行後の初めての統計で、2018年6月15日から7月31日を対象としています。
これまで明確ではなかった「民泊」の実態を知るためにも、面白い資料となっています。
宿泊者の83%が外国人
宿泊者のうち、日本国内に住所を持つ人が16.6%でした。
海外からの旅行者が83.4%を占めています。
アジア圏からの旅行者が中心
海外からの旅行者の国籍は、「中国」「韓国」「アメリカ」「台湾」「香港」の順でした。
この5カ国で、全体の68%を占めます。
地域別にみると、「東アジア」が多く、全体の58%を占めます。
それに「東南アジア」「北米」「ヨーロッパ」が続きます。
民泊施設は、大都市が中心
今回の調査で、きちんと民泊施設から行なわれた報告の件数は、全国で「5.077件」でした。
全都道府県に分布しており、民泊施設が無い県はありません。
民泊施設の報告の数を都道府県別に見ると、ベスト5は次の県です。
- 東京都 1,811件
- 北海道 1,022件
- 大阪府 346件
- 福岡県 256件
- 神奈川県 201件
観光地である北海道を除くと、大都市圏に多いことが分かります。
しかし、1つの民泊施設あたりの宿泊日数と宿泊者数を掛けた「延べ宿泊日数」で見ると、順位が変わります。
この数字が大きいほど、民泊施設が、よく利用されていることになります。
- 北海道 63.1人泊
- 愛知県 57.4人泊
- 東京都 50.8人泊
- 沖縄県 46.6人泊
- 神奈川県 38.3人泊
愛知県と沖縄県は、民泊施設の数は少ないものの、利用されている率が高いことが分かります。
厳しい規制がある自治体も多い
民泊施設は、大都市圏や観光地では施設の数があり、利用率が高いことも分かりました。
しかし、北海道や沖縄が健闘する一方で、人気の観光地である京都府はランキングに入っていません。
京都府の民泊施設は64件と少なく、全国でも11位です。また、延べ宿泊日数も15位に留まっています。
これは、京都府が民泊新法よりも、さらに厳しい規制を行なっていることが影響しているのでしょう。
これから、民泊を始めることを考えるならば、まず、地元の自治体の「条例」を確認しましょう。
京都府以外でも、「管理人が常駐していないと、平日は営業を認めない」などの厳しい規制を敷いている自治体が増えています。
「民泊」を運営するためには、かなり本気になる必要があり、すでに、片手間でできる副業としては難しくなっているのです。