3千万円以上の支払い例もある海外旅行の医療費

[2018/12/29 00:00]

海外旅行につきものの旅行保険のデータ

年末年始は海外旅行のシーズンでもあります。

旅行保険会社のジェイアイ傷害火災保険が公開している「海外旅行保険事故データ」から、旅行保険の使われ方を紹介しましょう。

今回紹介するのは、2017年度のデータです。

海外旅行の事故は29人に1人に起きている

海外旅行保険に加入して旅行をした人のうち、事故に遭った人の割合は3.42%でした。

旅行保険加入者の29人に1人の割合になります。

この割合は少ないと感じるかもしれませんが、200人以上の乗客を載せる飛行機は珍しくありませんから、1機当り6~7人が事故に遭っている確率です。

出典:データを基に編集部が作成

シニアの事故は高額になりやすい

事故に遭った人のうち、4割近くが65歳以上のシニア層でした。

事故の原因は、転倒による骨折、脳疾患、心疾患、肺炎などが多くなっています。

また、シニア層の事故は、損害が大きくなる傾向があります。

支払われた保険料が300万円を超える「高額事故」の割合は、65歳未満の約4倍でした。

出典:データを基に編集部が作成

旅行保険の主な用途は3つ

旅行保険が使われる理由は、次の3つが多くなっています。

  • 「治療・救援費用」
    ケガや病気の治療費用や医療搬送費用
  • 「携行品損害」
    手荷物の盗難・破損
  • 「旅行事故緊急費用」
    偶然な事故での出費
出典:データを基に編集部が作成

そして、旅行の目的地によって、よく使われる用途が異なります。

  • 「治療・救援費用」北米、アジア、オセアニア
  • 「携行品損害」ヨーロッパやアフリカ
  • 「旅行事故緊急費用」ヨーロッパと中南米

旅行先に合わせて、事前の備えをしておきましょう。

保険金の最高額は「3,588万円」

旅行保険の用途のうち、特に「治療・救援費用」は高額になりやすい傾向があります。

保険金支払額が300万円以上の、高額医療費用事故は「68件」発生しました。

保険金の支払い額が、1,000万円を超えた事故も「8件」起きています。

保険金の最高金額は「3,588万円」でした。

旅行先はアメリカで、加入者は65歳以上です。

事故内容は次の通りです。


ツアー中、バス車内で発作を起こし救急車で搬送。心不全と診断され15日間入院。家族が駆けつける。医師・看護師が付き添いチャーター機で医療搬送。

これは一般的な例ではありませんが、こういう可能性もあるということは覚えておきましょう。

高額事故は、一般的な旅行先で起きている

保険金支払額が300万円以上の、高額医療費用事故の発生は「欧米」が多くなっています。

国や地域で言うと、「アメリカ」「ハワイ」「イギリス」「フランス」「ドイツ」「中国」「韓国」「シンガポール」など、一般的な旅行先で発生しています。

しかし、海外旅行保険を契約する際に、「治療・救援費用」の保険金額を無制限としている人は、契約者のうち45.7%に留まっています。

高額医療事故率が高いシニアが海外旅行をする際は、保険金額を無制限にすることを検討してください。

[シニアガイド編集部]