自殺者が一番多いのは「東京」、自殺する率が高いのは「山梨」
全国の自殺者数は「20,840人」
2018年の自殺者数は「20,840人」でした。
これは、過去最小だった1981年の「20,434人」に近く、かなり少ない状況です。
自殺者数は、2003年の「34,427人」をピークにして、減る傾向にあります。
全国の自殺死亡率は「16.5」
また、「自殺死亡率」は「16.5」でした。
「自殺死亡率」は、自殺者の割合をするための数字で、人口10万人当たりの自殺者数を示します。
つまり、日本全体では、人口10万当り「16.5人」の自殺者がいたことになります。
「自殺死亡率」も、2003年の「27.0」をピークに減り続けています。2018年の「自殺死亡率」は、1978年に統計が始まってから最低でした。
自殺者が一番多いのは「東京都」
日本全体の自殺者数は「20,434人」、自殺死亡率は「16.5」ということが分かりました。
しかし、都道府県によって、自殺者数や自殺死亡率には大きな差があります。
まず、自殺者数が多かった県の10位までを見てみましょう。
自殺者が多い県
- 東京都 2,244人
- 大阪府 1,275人
- 埼玉県 1,223人
- 神奈川県 1,136人
- 愛知県 1,066人
- 千葉県 1,017人
- 北海道 998人
- 兵庫県 954人
- 福岡県 856人
- 静岡県 633人
一番多かったのは、「東京都」で2,244人でした。
全国の自殺者数の約11%を占めています。
2位以下も、「大阪府」「埼玉県」「神奈川県」「愛知県」と人口が多い県が並びます。
自殺者が一番少ないのは「鳥取県」
逆に、自殺者数が少ない県はどこでしょう。
自殺者が少ない県
- 鳥取県 80人
- 徳島県 89人
- 島根県 113人
- 福井県 134人
- 高知県 135人
- 香川県 157人
- 佐賀県 161人
- 石川県 162人
- 富山県 176人
- 山形県 202人
一番少ないのは「鳥取県」でした。自殺者数は「80人」でした。
自殺者数が一番多い東京都の30分の1ぐらいしかありません。
二番目は「徳島県」で、「89人」でした。
こちらもかなり少ない数字です。
自殺死亡率が高いのは「山梨県」
自殺者数が多い県は、人口が多い県でした。
では、自殺者の割合が分かる「自殺死亡率」が高いのは、どの県でしょう。
自殺者する率が高い県
- 山梨県 24.8
- 青森県 22.2
- 和歌山県 21.9
- 岩手県 21.8
- 新潟県 21.1
- 秋田県 20.7
- 福島県 20.6
- 佐賀県 19.5
- 高知県 18.9
- 栃木県 18.8
自殺死亡率が一番高いのは「山梨県」でした。
二番目は「青森県」、三番目は「和歌山県」です。
2017年に自殺死亡率が一番高かった「秋田県」は6位まで下がりました。
また、自殺者数が一番多い「東京都」の自殺死亡率は「16.4」で、多い方から数えて30番目でした。
意外なことに「東京都」は自殺死亡率が低い地域なのです。
自殺死亡率が低いのは「徳島県」
逆に、「自殺死亡率」が低い県を見てみましょう。
自殺者する率が低い県
- 徳島県 12.0
- 神奈川県 12.4
- 京都府 13.2
- 石川県 14.1
- 岡山県 14.1
- 鳥取県 14.2
- 愛知県 14.2
- 大阪府 14.5
- 熊本県 14.6
- 沖縄県 15.2
自殺死亡率が一番低い県は「徳島県」でした。
徳島県の自殺死亡率は「12.0」なので、一番高い山梨県の「24.8」の半分以下です。
また、自殺者数が一番少なかった「鳥取県」も、6位に入っています。
「鳥取県」は、単に人口が少ないだけではなく、自殺死亡率も低い県なのです。
自殺死亡率が低い
自殺の原因は複合的なものが多いため、その県の自殺死亡率が高い理由や低い理由は単純には言えません。
例えば、「自殺死亡率が低いからストレスが少ない」とか、「自殺死亡率が低いから県民性が明るい」と、判断することはできません。
ただし、県によって、自殺死亡率が2倍以上も違うからには、何らかの理由はあるのでしょう。
例えば、自殺死亡率が一番低い「徳島県」は、非正規雇用が少ない県であり、人口あたりの医療費が多い県でもあります。
正規雇用が多く生活が安定していることや、人口当りの医者が多く専門医に相談しやすいことが、自殺死亡率に影響しているのかもしれません。
現在、日本の自殺者は減り続けていますが、今後も自殺者を減らしていくために、都道府県ごとの分析と対策が進むことが望まれます。