すれ違い通信で位置情報が交換できる登山アプリ
登山アプリに追加された「みまもり機能」
登山のときに、スマホを持っていくのは当たり前のことになっています。
スマホは、記録用のカメラでもあり、非常時の連絡手段でもあります。
特にスマホアプリの「YAMAP」(ヤマップ)は、携帯電話の通信圏外でも利用できる地図アプリで、登山の記録ツールとしても、広く普及しています。
そのYAMAPの機能が強化され、「みまもり機能」と称して、GPSの位置情報を、家族や友人などに通知できるようになりました。
また、YAMAPユーザー同士のすれ違い通信を利用して、圏外にいる場合でも、位置情報の通知ができる仕組みも導入されました。
家族や友人が位置を確認できる
YAMAPの新機能を利用すると、第三者が自分の位置情報を確認することができます。
例えば、家族や友人などが、登山者の位置を地図上で把握できます。
万が一の遭難などの際も、救助のために有用な情報となります。
すれ違いを利用して、圏外の位置情報を把握する
山では平地と異なり、電波が届かなくて圏外になる場所もたくさんあります。
そうすると、GPSによって位置情報を得ることはできても、それをYAMAPのサーバーに送ることができません。
それをカバーするために、YAMAPでは、携帯ゲーム機のすれ違い通信のような仕組みを導入しています。
ちょっと変わった仕組みなので、段階を追って説明しましょう。
通信が可能な状態
2人の登山者が、両方とも通信可能な圏内にいる場合は、それぞれがYAMAPのサーバーに位置情報を送ります。
この状態であれば、第三者は、登山者の位置情報をいつでも知ることができます。
圏外になった場合
2人の登山者が、通信の圏外にいると、YAMAPのサーバーに位置情報は送れません。
しかし、2人がすれ違うと、それぞれのスマホのYAMAPが、お互いの位置情報を交換します。
どちらかが通信可能になった状態
2人の登山者のどちらかが、通信可能な圏内に戻ります。
すると、YAMAPは、自分の分と、すれ違った人の分の両方の位置データをサーバーに送ります。
もう1人の登山者が、まだ圏外にいても、すれ違った場所に居たという位置情報が提供されるわけです。
登山者が多く、すれ違う機会が増えれば増えるほど、位置情報は頻繁に更新されます。
待っている人の安心のために
YAMAPの「みまもり機能」は、山に登っている本人よりも、それを待っている家族や友人などにとって、ありがたい機能でしょう。
いま、どこにいるかということが分かれば、かなり安心できるものです。
また、最後に、どこに居たかという位置情報は、遭難した場合の捜索や救助にはとても有益な情報となります。
自分のためだけではなく、待ってくれている人のためにも、登山やハイキングの前には、スマホに入れて、会員登録しておきましょう。