4月から保険加入が義務になる東京都の自転車
4月から自転車保険が義務化
2020年4月1日から、東京都で自転車に乗る場合は、自転車保険への加入が義務化されます。
必要となる保険は、「自転車の利用によって生じた、他人の生命または身体への損害を賠償する保険」です。
つまり、自転車に乗っていて、誰かにケガをさせてしまったときに、被害者に賠償することができる保険に入っておく必要があります。
ケガをさせて9,500万円の賠償例も
自転車保険の加入義務化は、東京都が初めてではありません。
国交省によれば、義務化されている都道府県は13カ所、政令指定都市では7カ所に上ります。
義務化が進む背景は、自転車事故の賠償が高額になる例が増えているという事情があります。
例えば、神戸地方裁判所が「約9,500万円」の賠償を命じた例があります。
これは、11歳の小学生の乗る自転車が、62歳の女性に正面衝突した事故です。頭蓋骨骨折などのケガにより、被害者の意識が戻りませんでした。
このような高額の賠償例が増えており、それを支払うために保険の義務化が進んでいるのです。
ほかの保険に付属している場合もある
自転車を運転する際の賠償を保証するための保険は、いわゆる「自転車保険」に限りません。
東京都によれば、次のような例があります。
- 「自転車保険」などの名称で販売されている傷害保険とのセット商品
- 自動車保険の特約
- 火災保険の特約
- 傷害保険の特約
- クレジットカードの付帯保険
- 会社などの団体保険
- PTA向けなどに学校や大学で募集されている保険
- 交通安全協会の自転車会員が加入している保険
特に、可能性が高いのは、「自動車保険の特約」「火災保険の特約」「傷害保険の特約」です。
名称としては、「個人賠償責任特約」が多く、「日常賠償保険」や「賠償責任共済」と称している場合もあります。
この特約の特徴は、本人だけではなく、家族も対象となっていることです。
つまり、父親が加入している自動車保険に「個人賠償責任特約」が付いていれば、家族の誰かが自転車事故を起こした場合でも対象となります。
「個人賠償責任特約」は、クレジットカードに付帯する保険にも付いていることがあります。自分のカードの契約内容を確認してください。
ちょっと変わったところでは、自転車安全整備士が点検確認した自転車に貼られる「TSマーク」にも、1年間の保険が付いています。
最近、自転車販売店などで整備をした機会があれば、自転車にTSマークが貼られていないか確認しましょう。