新型コロナウイルスの影響で大幅に収入が減ったら、国民年金の保険料を安くできる

[2020/5/4 00:00]

コロナ対策として国民年金の保険料が減額や免除される

5月1日から、国民年金保険料の「臨時の特例免除」という制度が始まっています。

これは、新型コロナウイルスの影響によって大幅に収入が減り、国民年金保険料が払えなくなったときに、一定の免除が受けられるものです。

この制度を利用すると、現在の収入の状況に応じて、“保険料の4分の1”から“全額”までの4段階で、国民年金保険料が安くなります。

「臨時の特例免除」の手続に必要な書類はPDFファイルで用意されており、申請も郵送でできます。

外出をすることなく、自宅で作業するだけで、国民年金の保険料が安くなるのです。

国民年金保険料は未払いにすると、万一のときに障害年金がもらえないなどの悪影響があります。

早めに手続をして、免除にしておけば、障害年金ももらえますし、保険料の請求に苦しまなくてすみます。

今年の年収は自己申告で大丈夫

今回の特例免除の対象になるのは、次の2つの場合です。

  • 2020年2月以降に、新型コロナウイルスの感染症により収入が減少したこと
  • 今年の収入が、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること

必要な書類は、次の2つです。

  • 「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」
  • 「所得の申立書」

2つの書類は、こちらからダウンロードできます。

一般の免除と、どこが違うかというと、「本人が申告した所得見込額」を使うことで、手続きが簡単になっていることです。

「所得の申立書」に所得見込額を自分で書けば良く、その収入を証明する書類は必要ありません。

記入例も用意されているので、それを見ながら記入してください。

出典:日本年金機構

書類の郵送先は、現在住んでいる地域の役所の国民年金担当窓口か、年金事務所です。

年金事務所の所在地は、こちらのページで確認できます。

どれぐらい免除になるのか

国民年金保険料の免除は、4つの段階があります。

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

どの段階になるかは、年収の金額で決まります。

例えば、「全額免除」の場合、単身世帯であれば年収が57万円、夫婦ふたりの世帯であれば92万円よりも少なければ該当します。

もう少し年収が多くても、一部免除のいずれかに該当する場合があります。

例えば、4分の1免除であれば「158万円+扶養親族等控除額(1人当たり35万円)+社会保険料控除額等」ですから、夫婦ふたりの世帯であれば、年収が200万円前後から該当する可能性があります。

書類を書くときに、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」の「(9)免除等区分」の欄を空欄にしておけば、どれに該当するかを、役所が判断してくれます。

素直に予想される年収を記入して、どれに該当するのかという判断は任せてしまいましょう。

7月分以降は改めて申請が必要

今回の申請の対象期間は、2020年2月から6月に限定されています。

7月分以降は、改めて申請が必要ですから、注意してください。

なお、すでに失業や退職していたり、事業が休止や廃止になっている場合は、今回の「臨時の特例免除」を使わなくても、免除の申請ができます。

こちらのページ参照してください。

ほかにも使える新型コロナウイルス対策

この記事で紹介したのは、国民年金保険の保険料の減免でした。

ほかにも新型コロナウイルス対策として、免除や給付などが始まっています。

まず、「国民健康保険」の保険料について、一部の自治体で減免措置が始まっています。

こちらは、市区町村単位の制度になりますから、自分が住んでいる自治体のホームページで確認してください。

また、国民全員への給付として「特別定額給付金」、個人事業主や中小法人への給付として「持続化給付金」も受付が始まりました。

これらは、比較的簡単な手続きで、返済の必要がないお金が給付されます。

利用できる制度は、できるだけ利用して、自分と家族の生活を守りましょう。

[シニアガイド編集部]