ようやく、すべての市区町村で始まった「特別定額給付金」の申請受付

[2020/5/27 00:00]

すべての市区町村で受付開始

「特別定額給付金」の申請受付が、全国のすべての市区町村で開始されました。

「特別定額給付金」は、新型コロナウイルス対策として、住民票に登録されているすべての人に、1人当たり10万円を給付する制度です。

「特別定額給付金」の制度については、4月30日に国会で成立しました。

しかし、実務を担うのが人手の少ない市区町村であること、準備期間がほとんどなかったことから、申請の受付が遅れていました。

ようやく、5月25日になって、全国の1,741の市区町村の全部で受付が始まったのです。

申請方法は「郵送」と「オンライン」の2つ

「特別定額給付金」の申請方法は、「郵送」と「オンライン」があります。

それぞれ、次のような手続きとなります。

  • 「郵送」
    市区町村から郵送された申請書に必要な事項を記入する。振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村へ郵送する。
  • 「オンライン」
    マイナンバーカードによる電子署名で本人確認をする。「マイナポータル」にアクセスして申請内容を入力する。振込先口座の確認書類をアップロードする。

「オンライン」で申請するには、「マイナンバーカード」が必須です。さらに、パソコンやスマートフォンなどで操作を行なう必要があります。

市区町村の負担が大きい「オンライン」申請

総務省によるオンライン受付のシステム自体は、5月1日に始まっています。

しかし、「オンライン」による受付を行なっている市区町村は97.9%に留まっています。

なぜ100%の市区町村が行なっていないかというと、少なくとも当初のオンラインシステムには大きな問題があったからです。

「特別定額給付金」のオンライン申請は、次のような情報が必要です。

  • 「マイナンバーカード」による本人の確認
  • 申込者が世帯主であることの確認
  • 同じ世帯に属している家族の氏名の確認
  • 「特別定額給付金」が振り込まれる銀行口座の確認

しかし、当初のシステムでは「同じ世帯の家族の情報」と「銀行口座」の2つについては、申込者が自分で書き込むようになっていました。

例えば、世帯主であることがわかれば、家族の一覧が表示されるような、正しいデータを入力するための支援機能がまったく用意されていなかったのです。

家族の名前を間違えたり、誰かを書き忘れてしまう可能性が高く、金額を増やすために架空の家族を入力することさえできます。

「銀行口座」についても同様で、「マイナンバーカード」と「銀行口座」の情報が結びついていないため、間違った口座番号を入力できてしまいます。

オンライン申請を受け付ける市区町村では、入力されたデータが正しいことを職員が確認しなければなりません。

そのため、オンライン申請が増えれば増えるほど負担が重くなるので、オンライン申請を止めてしまう自治体がでているのです。

このようにオンライン申請は問題が多いので、まだ「特別定額給付金」の申請をしていない人は、「郵送」で必要な書類が届くのを待ちましょう。

特に「マイナンバーカード」を持っていないのであれば、カードを取得するだけで1カ月以上かかってしまいます。それなら、郵送を待つほうが早いのです。

振込までの期間は2~3週間

総務省によれば、すでに79.7%の市区町村が、「特別定額給付金」の給付、つまり振込を開始しています。

「準備期間の不足」「オンライン申請システムの不備」などを乗り越えて、ようやく国民の手元に「10万円」が届きはじめています。

申請から振込までの期間は、地域によって異なりますが、東京23区では2週間から3週間ほどで振り込まれる例が多いようです。

なお、「特別定額給付金」の申請の締切は、受付開始から3カ月以内です。

多くの市区町村では、「8月には締切」になってしまいますから、早めに申請をしてください。

[シニアガイド編集部]