一都三県の「緊急事態宣言」が2度目の延長。「新規陽性者数」と「病床使用率」が原因
3月21日まで二度目の延長
政府は、一都三県に発令されている、新型コロナウイルスに対する「緊急事態宣言」を延長すると発表しました。
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県に対する緊急事態宣言が延長されるのは、これで2度目となります。
今回の緊急事態宣言は、2021年1月8日に、一都三県を対象に発出されました。期間は2月7日までの1カ月間です。
しかし、新型コロナウイルスの流行が止まらず、3月7日まで1カ月間延長されました。
それでも治まらずに、3月21日まで2週間延長されることになったのです。
千葉と埼玉で病床が足りない
今回、「緊急事態宣言」が延長された理由は2つ指摘されています。
一つは、「入院患者の病床使用率の下げ止まり」です。
「病床使用率」は、入院できる病床の混み具合を見る数字です。
「緊急事態宣言」は、国の指標で「ステージ4」の状態で発令されますが、この指標にも「病床使用率」が入っています。
具体的には、「病床使用率」が「50%」を超えると、「ステージ4」になります。
一都三県では、すべての県の「病床使用率」が50%を切っています。
ただし、千葉県は49.7%、埼玉県は42.9%と、ギリギリで「ステージ3」に留まっている状態です。
しかも、千葉県のグラフを見ると分かるように、入院患者の減り方が鈍くなっており、再び増える可能性もあります。
つまり、病床使用率が高く、医療提供体制に対する負荷が大きいままなので、緊急事態宣言の解除をためらっているのです。
新規陽性者数が減らない
緊急事態宣言が延長された2つ目の理由は「新規陽性者数の下げ止まり」です。
こちらは、新規陽性者数が多い東京都のグラフを見てみましょう。
新規陽性者数の7日間の平均を見ると、「緊急事態宣言」によって大きく下がりました。
しかし、直帰では、2月24日は「288人」でしたが、一週間経った3月3日でも「272人」で、あまり下がっていません。
新規陽性者数の減り方が鈍くなっているのです。
この傾向は、2月中旬から始まっており、新規陽性者数の減少のスピードが遅くなっています。
また、下げ止まる可能性やリバウンドして増加する可能性もあります。
三度目の延長を防ぐ方法
今回の緊急事態宣言の延長は、「入院患者の病床使用率」と「新規陽性者数」の下げ止まりが主な原因となっています。
いずれも、減り方が鈍くなっているので、緊急事態宣言を解除してしまうと、リバウンドするのでないかと判断されたのです。
緊急事態宣言の3度目の延長を阻止し、3月21日で終わらせるためには、一人ひとりが感染対策を行ない、新型コロナウイルスへに感染したり、入院したりしないことが大切です。
もう一度、気を引き締めて、「マスクの着用」「三密を避ける」「不要不急の外出を避ける」など、基本的な感染対策を心がけてください。
ニュースでは「変異株」や「ワクチン」の話題が多くなっていますが、とりあえず今できることは「新型コロナに感染しないように努力する」ことなのを忘れてはいけません。