11年ぶりに増えた、2020年の自殺者。「女性」「20代」「健康問題」が増加
11年ぶりに自殺者が増加
厚労省と警察庁が、「2020年の自殺の状況」を公開しています。
2020年の自殺者は「21,081人」で、前年よりも912人も増えました。
自殺者数が増えたのは、2009年(平成21年)以来11年ぶりです。
男性の自殺者は「14,055人」、女性の自殺者は「7,026人」でした。
例年通り、男性が女性の2倍となっています。
しかし、女性が2年ぶりに増加しているのに対して、男性は11年連続の減少と、対照的な動きとなりました。
「女性」の自殺率が上昇
人口10万人当たりの自殺者数を「自殺率」といいます。
2020年の自殺率は「16.7」で、前年の16.0から0.7上がりました。
男性は「22.9」で横ばい、女性は「10.9」で、前年から1.5も増えました。
女性の自殺が増えていることは、自殺率の上昇からも分かります。
「20代」の自殺が増加
自殺者を年齢別に見ると、「20代」が大きく増加しました。
全体的に増加傾向で、減少したのは「50代」と「60代」だけです。
自殺の原因は「健康問題」が最多
自殺の動機を見ると、「健康問題」が一番多く、1万人を超えています。
さらに「健康問題」は増加傾向にあり、前年に比べて334人も増えました。
一方、「経済・生活問題」は、前年よりも179人も減っています。
自殺者が多いのは「東京」
自殺者が一番多い都道府県は「東京都」で2,231人と、唯一、2千人を超えています。
また、「大阪府」「神奈川県」「埼玉県」「愛知県」も千人を超えています。
逆に自殺者が一番少ないのは「鳥取県」で、85人でした。
自殺率が高いのは「岩手」
自殺率が高い都道府県は「岩手県」「山梨県」「宮崎県」「富山県」「青森県」「新潟県」「秋田県」で、いずれも「20.0」以上です。
自殺率が一番高い「岩手県」は22.7、一番低い「京都府」は13.7ですから、都道府県の自殺率には1.6倍もの差があります。
自殺者が多いのは、人口が多い大都市のある県ですが、自殺率で見ると、かなり順位が変わります。
例えば、「神奈川県」は自殺者が3番目に多い県ですが、自殺率は「京都府」に次いで低くなっています。