2019年の自殺者は「20,169人」で過去最小。男性は女性の2倍以上
統計開始以来もっとも自殺が少ない年
厚労省と警察庁が、2019年の自殺の状況を公開しています。
2019年の自殺者数は「20,169人」でした。
1月に発表された速報の段階では、2万人を切っていましたが、確定値ではわずかに2万人を越えました。
それでも、自殺の統計を取り始めた1978年(昭和53年)以来、最小となりました。
また、10年連続で減少が続いています。
性別で見ると、男性が「14,078人」、女性が「6,091人」で、男性は女性の2.3倍でした。
男性は2.4倍も自殺しやすい
人口10万人あたりの自殺者数を「自殺死亡率」と言います。
2019年の自殺死亡率は「16.0」で統計開始以来最小でした。
男性は「22.9」、女性は「9.4」です。
同じ人口で見ても、男性は女性よりも2.4倍も自殺が多いのです。
自殺が多いのは「東京」、自殺率が高いのは「山梨」
ここからは、都道府県別の状況を見ていきましょう。
「自殺者数が多い都道府県」は、東京都とその周辺、大阪府、愛知県など、人口が多い都道府県が並んでいます。
自殺者数が多い都道府県
- 東京都 2,107人
- 大阪府 1,231人
- 埼玉県 1,110人
- 神奈川県 1,076人
- 愛知県 1,062人
一方、「自殺者数が少ない都道府県」は、鳥取県や島根県など、人口が少ない都道府県が並んでいます。
自殺者数が少ない都道府県
- 鳥取県 80人
- 島根県 109人
- 徳島県 113人
- 福井県 125人
- 高知県 134人
しかし、「自殺者数」ではなく、「自殺死亡率」で見ると、かなり状況が異なります。
「自殺死亡率が高い都道府県」の1位は「山梨県」でした。
そして、「岩手県」と「秋田県」が、ほとんど差がなく続きます。
自殺死亡率が高い都道府県
- 山梨県 22.3
- 岩手県 22.2
- 秋田県 22.1
- 新潟県 19.8
- 福島県 19.3
「自殺死亡率が低い都道府県」の1位は「神奈川県」でした。
神奈川県の自殺死亡率は「11.7」で、山梨県の「22.3」の52%しかありません。
また、大阪府や愛知県など、自殺者数が多い都道府県も、自殺死亡率は低いことがわかります。
自殺死亡率が低い都道府県
- 神奈川県 11.7
- 京都府 12.5
- 大阪府 14.0
- 愛知県 14.1
- 岡山県 14.3
なお、自殺者数がもっとも多い「東京都」の自殺死亡率は「15.2」で、全国でも9番目に低い値になっています。
都道府県別の自殺の状況は、「自殺者数」で語られることが多いのですが、「自殺死亡率」で見る方が実際の状況がわかりやすいのです。