EU加盟国の8割以上が平均寿命を下げた、新型コロナの怖さ

[2021/4/9 00:00]

新型コロナが深刻な影響

新型コロナウイルスの影響で、EU(欧州連合)加盟国の多くで、平均寿命が短くなったことが分かりました。

これは、EUの統計局が公開したものです。

2020年の平均寿命は暫定的なものですが、現在のEU加盟国、27カ国のうち26カ国のデータが掲載されています。

データのある26カ国のうち、22カ国で平均寿命が短くなっています。

つまり、EU加盟国の8割以上で、新型コロナが平均寿命を短くした可能性が高いのです。

一つの病気が原因で、複数の国の平均寿命が短くなることは珍しく、ヨーロッパにおける新型コロナウイルスの流行が、深刻な事態であることが分かります。

平均寿命が「1.6年」も短くなった「スペイン」

平均寿命が短くなった22カ国のうち、短縮された幅が一番大きいのは「スペイン」でした。

2019年の「84.0歳」から、2020年は「82.4歳」へ、「1.6年」も短くなっています。

次に下がったのが「ブルガリア」で、「75.1歳」から「73.6歳」へ、「1.5年」短くなりました。

また、「リトアニア」「ポーランド」「ルーマニア」は、それぞれ「1.4年」短くなっています。

独仏も例外ではない

平均寿命の短縮は、EUの主軸である独仏も例外ではありません。

「ドイツ」は「81.3歳」から「81.1歳」へ、「0.2年」短くなりました。

「フランス」も「83.0歳」から「82.3歳」へ、「0.7年」短くなっています。

平均寿命が伸びたのは2カ国だけ

現在のEU加盟国、27カ国のうち、平均寿命が伸びたのは、2カ国だけでした。

「フィンランド」は、「82.1歳」から「82.2歳」へ、「0.1年」伸びました。

「デンマーク」も、「81.5歳」から「81.6歳」へ、「0.1年」伸びました。

また、平均寿命が前年と同じだったのも、2カ国だけです。

「キプロス」は「82.3歳」、「ラトビア」は「75.7歳」で、前年と同じでした。

自分が戦っている相手の怖さを知る

日本人の平均寿命は、厚労省が「簡易生命表」という形で、毎年7月に公開しています。

最新のデータは、男性が「81.41歳」、女性が「87.45歳」です。

日本の場合、新型コロナウイルスによる死者の数が、EU諸国よりもかなり少ないため、すぐに平均寿命に影響する可能性は低いでしょう。

しかし、自分が戦っている相手が、他国の平均寿命を短くするほど、強力な流行病であることを知っていることは無駄ではありません。

その怖さを知っていれば、毎日の感染予防対策にも力が入るでしょう。

出典:EU
[シニアガイド編集部]