国民生活センターが、「新型コロナウイルスのワクチン詐欺」について、警告を発しています。
5月に入って、高齢者向けのワクチン接種の予約が始まったため、それに乗じて怪しい電話や来訪が増加しているのです。
2021年2月以降、国民生活センターに寄せられた相談のうち、ワクチン詐欺が疑われるものは92もあります。
この記事では、そのうち2つの実例を紹介します。
先日、自宅マンションに「新型コロナワクチン接種の予約がなかなかとれないので、予約の代行をします」と男性が訪ねてきた。
「市役所から来ました」というので部署名や担当者の名前を尋ねたところ、ごまかして帰って行った。料金については何も言っていなかった。(40代男性)
高齢の母親が住む自治体の職員を名乗った電話があり、「新型コロナワクチン接種の申し込みを受け付けた。役員が説明に伺うので都合のいい日を教えてほしい。住所はこれで合っているか」と住所の確認をされたうえ、翌日の午後に約束をしたそうだ。
予防接種の予約はしていないが、母は娘である私が予約をしたと思い、質問に答えたそうだ。(相談者:60代女性、母親:80代)
この2つの実例は、金銭的被害までには及んでいません。
しかし、対応によっては、予約金などを請求する段階に発展した可能性が高いでしょう。
国民生活センターでは、ワクチン詐欺についてのアドバイスも公開しています。
新型コロナウイルスのワクチン接種は、市町村から「接種券」と「接種のお知らせ」が届き、それを見ながら電話やインターネットで予約をする、という流れになります。
役所の人間が「ワクチン接種の説明に行く」などと来訪することはありません。
また、「ワクチン接種に必要」などと言って個人の情報や金融機関の情報などを電話やメールで聞くこともありません。個人情報や金融機関情報などを聞かれても答えないでください。
不審な呼びかけがあったときは、「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」に相談してください。