新型コロナのワクチンに関する詐欺が多発。3つの実例を紹介

[2021/5/7 00:00]

国民生活センターがワクチン詐欺の実例を公開

国民生活センターが、「新型コロナウイルスのワクチン詐欺」について警告しています。

2021年2月以降、国民生活センターに寄せられた相談のうち、ワクチン詐欺が疑われるものが65もありました。

この記事では、そのうち3つの実例を紹介します。

【詐欺の事例1】10万円で優先順位を上げると誘う

先月下旬、スマートフォンに「新型コロナワクチン接種の優先順位を上げる。2週間以内に振り込めば、入金確認後に接種日をお知らせする」という内容のメッセージが届いた。

そこには居住地の都道府県名と、私の携帯電話番号が記載されており、金額は約10万円、振込先は大手銀行の支店だった。

問い合わせ先として所管省庁の窓口と電話番号も記載されている。(50代男性)

注:ワクチンの接種については、地方自治体が主体となって進められており、金銭で優先順位が上がることはありません。

【事例2】余ったワクチンを50万円で案内すると誘う

数日前に、ワクチンの関係団体のようなところから電話があった。

「医療従事者から順次ワクチン接種が始まっているが、余った枠を案内している。新薬なので費用は約50万円だ」とのことで、私の名前や住所を知っているようだった。

その後また同じような電話があり「詐欺ではないのか」と指摘したら電話は切れた。(40代男性)

注:新型コロナウイルスのワクチンは、厳密に管理されており、余った枠を販売などはしていません。

【事例3】中国製ワクチンを接種しないかと誘う

数日前、電話で所管省庁の職員を名乗る人が「もうすぐ政府に承認される中国製の新型コロナウイルスのワクチンを数万円で接種できる」と言ったが、怪しいと思い、それ以上はよく聞かずに断った。

その後毎日のように同じ時間帯に非通知の着信があるので再度出たところ、所管省庁から委託された者と名乗っていたが、話の内容は同じだったので断った。(50代男性)

注:現時点では、日本で中国製ワクチンが承認される予定はありません。

また、諸外国ではワクチンを装った偽物が摘発されています。公的な方法以外での接種は、ワクチンの性能が保証されておらず、健康被害を招きかねません。

不安につけこむ誘いに注意

国民生活センターでは、ワクチン詐欺についてのアドバイスも公開しています。

  • ワクチンの接種は無料です
    「ワクチン接種の費用」、「優先して接種を受けるための費用」など、ワクチン接種に関連付けて金銭を求められても決して応じないでください。
  • ワクチンの接種に関連付けて個人情報等を聞きだそうとする電話等に注意してください
    行政機関(国や市区町村等)等が、「ワクチン接種に必要」などと言って個人情報や金融機関情報などを電話やメールで聞くことはありませんので、個人情報や金融機関情報などを聞かれても答えないでください。

3度めの緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルスについては不安な状況が続いています。

そのような状況を打破する手段として、ワクチンへの期待が高まっています。

それだけに、ワクチンの接種についての詐欺も増えています。

接種を急ぎたい気持ちは分かりますが、怪しい誘いには乗らないように注意しましょう。

[シニアガイド編集部]