「特別定額給付金」の用途は消費が7割、全額貯金が2割
4千人以上に聞いた「特別定額給付金」の用途
国民1人当たり10万円が配られた「特別定額給付金」は、どのように使われたのでしょうか。
シンクタンクのリクルートワークス研究所が、その用途についての調査結果を公開しています。
2021年3月に行なわれたインターネット調査には、全国の20歳~59歳の就業者が回答しています。
「特別定額給付金」については、4,798人が回答しています。
「使った」が7割、「全額貯金」が2割
2020年5月から受付が始まった「特別定額給付金」の用途で、一番多かったのは「全額使用した」でした。
回答者全体の48.5%を占めているので、ほぼ半分の人が、何かの用途に全額を使っています。
全額でなくても、「特別定額給付金」を何かに使った人は、全体の66.8%を占めました。
回答者の7割近くが、「特別定額給付金」を消費に回しています。
一方、「特別定額給付金」を「全額貯金した」人は24.0%でした。
つまり、「特別定額給付金」をそのまま貯金した人は、回答者全体の4分の1でした。
年収が少ないと「全額使う」人が多い
「特別定額給付金」の用途は、本人の年収によって変わるものでしょうか。
年収別に見ると、年収が低いほど「全部使った」率が高いことが分かります。
「全部使った」人は、年収が「0円」では55.4%ですが、年収が「1千万円以上」では43.9%まで減ります。
逆に、年収が高くなると「全部貯金した」率が高くなります。
「全部貯金した」人は、年収が「0円」では22.0%ですが、年収が「1千万円以上」では35.7%まで増えます。
つまり、「特別定額給付金」は、年収が少ない人ほどすべて使い、年収が多い人ほど貯金したのです。
「使わせる」ことが目的だったが、「貯金」もやむを得ない状況だった
今回の調査では、「特別定額給付金」について、意外と多くの割合で消費に回ったことが分かりました。
これは、「新型コロナによる景気の低迷を下支えする」という「特別定額給付金」の目的に沿ったものです。
一方で、2割以上の人は、「特別定額給付金」をそのまま貯金に回しており、消費には使われませんでした。
「特別定額給付金」の受付が始まったのは、2020年の5月からで、まだ新型コロナの流行が始まったばかりでした。
先が見えない状況で、全額を貯金に回すというのも、無理のない選択だったと思います。