何歳の高齢者でも「あと10年は生きたい」と考えている
60歳以上の2千人に対する調査
「高齢者は、自分の年齢に10歳を加えた年齢までは、生きたいと思っている人が多い」ことが、分かりました。
これは、公益財団法人 生命保険文化センターが、60歳以上の高齢者に行なった調査の結果です。
2020年10月から11月にかけて行なわれたインターネット調査には、全国の60歳以上の男女2,083人が回答しています。
「80代までは生きたい」が一番多い
「あなたは何歳まで生きたいと思いますか」という質問に対して、一番多い回答は「80代」でした。
「80代」は、回答者全体の50%以上を占めています。
現在の高齢者にとって「80代」は、一つの目標になっていると言っても良いでしょう。
現在の日本人の平均寿命は、男性が81.41年、女性が87.45年ですから、それも影響しているのでしょう。
「せめて平均寿命までは生きたい」というわけです。
80代は90代まで生きたいと思っている
「何歳まで生きたいか」という回答は、自分の年齢によって変わって行きます。
60代と70代では、「80代」が一番多く、ほぼ60%を超えます。
しかし、自分が80代になると、一番多い回答が「90代」に変わります。
「あと数年生きれば良い」という人は少なく、「あと10年は生きたい」という人が多いのです。
90代の4割は「100歳以上」を目指している
では、自分が90歳以上になったら、どう変わるのでしょうか。
こちらは「90代」が一番多くなっています。
ここまで生きると、ある程度は満足して、これぐらいで良いと思う人も多いのでしょう。
それでも、回答者の40%近くは、「100歳以上」まで生きたいと意欲を燃やしています。
誰でも「あと10年は生きたい」と思っている
若い世代が高齢者に接するときに、よくある過ちの一つが「自分は、いつ死んで良いと思っているだろう」と考えてしまうことです。
つまり、「あれだけ長生きしているのだから、本人も自分の寿命に満足している」と思い込んでしまうのです。
しかし、多くの高齢者は、「もう十分に生きた」とは思っていません。
60代や70代では「せめて80代まで」、そして80代になれば「90代まで」、90歳を超えても「100歳以上まで」と考えています。
簡単に言うと、高齢者は、何歳になっても、「あと10年は生きたい」と考えているのです。
「高齢者だから、もう十分に生きた。いつ死んでも満足だろう」と考えて応対していると、思わぬ怒りを買いかねません。
例えば、終活の話題のときには、どんなに高齢の人に対しても、あらかじめ「もちろん今すぐの話ではなく、まだ10年以上も先の話だけれど」と言っておくと、相手の気持ちもやわらぐでしょう。