新型コロナの流行が止まらない東京都。「4週間後には、1日2,400人」という試算も
まだまだ広がる東京都の感染
7月15日に開催された、東京都の「新型コロナウイルス感染症モニタリング会議」において、8月中旬には新規陽性者が、1日2千人を超えるという試算が公開されました。
この記事では、その資料をもとに、東京の流行状況を紹介します。
8月11日には「1日2,400人」と試算
東京都の新規陽性者は、増加が続いています。
ここでは曜日の影響を避けるために、過去7日間の平均で見てみましょう。
新規陽性者の7日間平均は、7月7日には「625人/日」でしたが、7月14日には「817人/日」に増えました。
そして、感染の拡大は、さらに勢いを増しています。
前週からの増加の割合も124%から、131%に増えました。
「131%」の割合で増加が続くと、2週間先の7月28日には「約1,402人/日」に、4週間後の8月11日には「2,406人/日」に達します。
不気味に増えている「デルタ株」
さらに、新規陽性者数が増える要素があります。
それは、「デルタ株」の影響です。
デルタ株は、L452Rという遺伝子に変異を持つ変異株の一種で、これまでの「アルファ株」よりも感染力が高いとされています。
東京都の検査で「デルタ株」陽性者の割合は、6月21日から6月27日までの14.7%から、6月28日から7月4日までの21.5%へと上昇しました。
これは「アルファ株」から「デルタ株」への置き換わりが急速に進んでいることを表しています。
そして、「デルタ株」が主力になると、さらに感染拡大が加速する可能性が高いのです。
「高齢者」にはワクチンの効果が出ている
現時点で、新型コロナウイルス感染症に対して、もっとも有効な手段は「ワクチンの接種」です。
ワクチンの接種を行なうことで、新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、万が一、感染した場合でも症状が軽くなるとされています。
東京都のワクチン接種率は、7月14日時点で1回目が32.6%、2回目が18.8%です。
しかし、65歳以上の高齢者に限ると、1回目が77.5%、2回目が52.1%という高い率になります。
これだけ接種率が高いと、高齢者の新規感染が減ってきます。
下のグラフは首相官邸で公開されている1週間前の状況ですが、接種率が上がるにつれて、新規陽性者が減っていることが分かります。
そして、新規陽性者の年齢を、3月と7月で比べると、高齢者の新規陽性者が減って、40代までの年代が増えたことが分かります。
この傾向は、すべての年代にワクチンが行き渡るまで続くでしょう。
「自分は若いから大丈夫」と思わず、どの年代でも、新型コロナにかかる可能性があると思って、感染予防に努めてください。