亡くなった家族が株式投資をしていたけれど情報が無いときの窓口

[2021/8/20 00:00]

故人の株式投資はわかりにくい

亡くなった家族が、株式投資を行なっていた場合、取引の現状を把握することは簡単ではありません。

現在では、ほとんどの株式投資が、パソコンやスマホ経由で行なわれているため、いくつものパスワードで保護されているからです。

また、以前なら紙の株券があり、残された株券が手がかりとなりました。

しかし、10年ほど前に株券の電子化が行なわれたため、原則として、手元には何も残っていません。

株式を預けている証券会社が分からないと、残高を確認することもできないのです。

まずは、取引をしている証券会社を探すことが、最初のステップになります。

最初は郵便物から探す

取引先の証券会社を探すときには、最初に郵送物を確認します。

例えば、証券会社から郵送された通知書などが手元にあれば、どの証券会社と取引をしていたのかが分かります。

証券会社からの通知も、メールなどに置き換えが進んでおり、郵送物は少なくなっています。

それでも、年に1回は書類が届くはずなので探してみましょう。

なお、故人の持ち物から古い株券が出てきた場合の対応は、こちらを参照してください。

問い合わせ窓口は「ほふり」

株式投資をしていたのは確実なのに、郵送物などの手がかりがなく、証券会社が見つからないときはどうしたら良いのでしょうか。

この場合は、「証券保管振替機構」(略称:ほふり)に問い合わせをします。

証券保管振替機構は、電子化された株式を管理している機構なので、株式の所有に関する情報が集まっています。

故人の家族が問い合わせることで、その人が保有していた株式に関する情報を開示してくれます。

問い合わせの条件は次のようになっています。

  • 「法定相続人」や「遺言執行人」以外の家族は問い合わせできない
  • 問い合わせは「郵送」のみ受付
  • 費用は「1件当たり6,050円」が基本で、条件により加算される
  • 費用は開示結果を郵送で受け取る際に「代引き」で支払う
  • 該当する情報が無い場合でも、費用は発生する

手続きにあたって、必要な書類などは、こちらで確認してください。

開示された情報をもとにして、証券会社の窓口に連絡し、残高を確認して相続の手続きを進めることになります。

ログインできる情報を残してもらおう

この記事では、証券保管振替機構への開示請求の方法を紹介しました。

しかし、これは最後の手段です。

故人の取引状況を知りたいときに、もっとも望ましい方法は、スマホやパソコンにログインできるパスワードなどが分かることです。

生前に教えてもらうことが一番ですが、それが難しいようであれば、エンディングノートなどに、証券会社のサイトやアプリにログインできる情報を書いてくれるようにお願いしてみましょう。

[シニアガイド編集部]