ついに90%を超えた、東京都のデルタ株。その危険性と対策
次々に登場する「変異株」
新型コロナウイルスの特徴の1つは、遺伝子が変化しやすいことです。
遺伝子の一部が変化して、性質が変わったウイルスのことを「変異株」と呼びます。
ほとんどの変異株は、もともとのウイルスに対して、優れた特徴を持っているわけではありません。
しかし、一部の変異株は「感染力が強い」「重症化しやすい」「ワクチンが効きにくい」など、警戒しなければならない性質を備えています。
つまり、次から次へと、これまで以上に危険な変異株が登場し、流行を長引かせているのです。
そうした変異株の中で、いま、もっとも懸念されているのが「デルタ株」です。
感染しやすく重症になりやすい「デルタ株」
「デルタ株」は、最初に流行していたウイルスよりも「感染力が2倍強い」とされています。
第3波の流行の主役で、感染力が強いとされていた「アルファ株」に比べても、「感染力が1.5倍強い」のです。
また、「感染すると入院するほど重症化しやすい」「ワクチンの効果を弱める」などの可能性が指摘されています。
つまり、「これまでよりも、ずっと感染しやすく、しかも重症になりやすい」というやっかいな存在なのです。
東京都では9割以上を占める
東京都では、新型コロナウイルスの遺伝子を継続的に調査しています。
8月25日時点の速報値では、「デルタ株」の特徴である「L452R]という遺伝子が変異したウイルスの割合が91.6%になりました。
つまり、現在の流行しているウイルスのうち9割が「デルタ株」になりました。
完全に「アルファ株」などに入れ替わり、流行の主役となったのです。
新型コロナウイルスは、もともと危険な感染症ですが、「デルタ株」に入れ替わったことにより、さらに危険な存在となりました。
発熱や咳などの症状が出やすい
なお、政府の会議に提出された報告書では、「デルタ株」の致死率は、「アルファ株」と同等とされています。
ただし、「デルタ株」では、「アルファ株」よりも、発熱や咳(せき)、頭痛、味覚障害などの症状が出る人が多いというデータがあります。
これらの症状は、感染した人の生活の質を大きく下げますから、軽く見てはいけません。
対策はこれまで通り、より慎重な行動を
では、私達は「デルタ株」に対して、どのように対応すれば良いのでしょうか。
政府の専門会議では、次のような注意を発しています。
- マスクをきちんと着用する
- 三密を避ける
- おしゃべりは短く、大声は出さない
- 換気に注意する
つまり、これまで通りに、基本的な感染予防を徹底するしかありません。
ただし、頭に入れておきたいのは、「デルタ株」は感染力が強いことです。
つまり、これまで以上に、慎重に行動することが求められます。
「これまでやっていたから大丈夫」と決めつけるのではなく、なにか行動するときは、その行動に危険性がないか、もう一度良く考えてください。
また、ワクチン接種後の感染も出てきています、ワクチンを接種したあとも、マスクの着用などの予防手段は続けてください。