療養が必要でも、入院できるのは4人に1人。まだまだ油断できない東京の新型コロナ状況
新しい患者は減り始めたが油断はできない
東京都の新型コロナウイルス感染症の“第5波”は、ようやく峠を越え、新規陽性者が減り始めました。
しかし、まだ病院のベッドは満杯で、感染が明らかになっても、入院できる人は4人に1人しかいません。
まだまだ油断ができない、東京都の新型コロナウイルスの状況を紹介します。
1週間で半分になった新規陽性者
9月15日時点の、過去7日間の新規陽性者の平均は「1,095人」でした。
1週間前の9月8日は「1,985人」でしたから、1週間で半分になりました。
ようやく「第5波」の感染拡大もピークを越えたようです。
病院のベッドは「満杯」
しかし、新型コロナウイルス患者用の病院のベッドは、まだ満杯です。
入院患者数は、ピーク時の4千人から減ったものの、まだ「3,097人」もいます。
用意されている病床のうち、46.7%が使用されています。
新型コロナ用のベッドは、急な入院に備えて常に空きが必要なので、これでも厳しい状況です。
重症者ベッドも厳しい状況
重症者用のベッドは、さらに状況が悪く、まだ「198人」が利用しています。
これは、用意されている重症者用病床の76.1%にあたります。
国の指標で、一番厳しい状態である「ステージ4」の基準が50%ですから、76%というのは、とても厳しい状態です。
「入院」できるのは4人に1人
では、いま、新型コロナに感染したとして、実際にはどのように対処されるのでしょうか。
この1週間で、新規陽性者となり、療養が必要とされた人のうち、入院できたのは「25%」でした。
つまり、体調などの経過観察が必要な状態と判断されても、4人に1人しか入院できません。
2人に1人は「自宅療養」になってしまいます。
そして、「自宅療養」は、どうしても医療関係者の目が届かず、症状の悪化に気づきにくいので、死亡に至る可能性が避けられません。
今週だけでも、自宅療養中の9人が死亡しています。
「発熱」「頭痛」ぐらいでは「自宅療養」
例えば、どれぐらいの症状だと「入院」ではなく、「自宅療養」や「宿泊療養」になるのでしょうか。
東京都が「自宅療養」と「宿泊療養」の経験者に行なったアンケートでは、次のような症状が挙がっています。
- 発熱
- 頭痛
- 倦怠感(体のだるさ)
- せき
- ノドの痛み
つまり、これぐらいの自覚症状があっても、入院に至らず、「自宅療養」になる可能性が高いということです。
このように、今の時点で、新型コロナに感染してしまうと、「自宅療養」になる可能性が避けられません。
“第5波”のピークを過ぎたからと言って、まだ気をゆるめてはいけないのです。
もうしばらくは、マスクの着用や、人混みや宴席を避けるなど、基本的な感染対策を続けてください。