新型コロナは軽症でも、「倦怠感」「息切れ」などの後遺症が起きることがある

後遺症で悩む人のアンケート
東京都が、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてのアンケート結果を公開しています。
このアンケートは、2021年5月10日から2022年1月28日にかけて、都立や公立の病院を受診した230人が回答しています。
コロナは軽症でも、後遺症は出る
まず、新型コロナ感染症の重症度を聞いています。
回答者の半分以上は「軽症」でした。
コロナ自体が軽症だったからと言って、後遺症が出ないとは限りません。

「倦怠感」など3つの代表的な症状
後遺症の症状で多いのは、「倦怠感」「息切れ」「頭痛」です。
この3つが、新型コロナの後遺症の代表的な症状と言えるでしょう。

複数の症状がある人が多い
また、後遺症の症状は1つとは限りません。
症状が1つだけという人は35%だけで、残りの65%は2つ以上の症状が同時に出ています。

すぐに症状が出るとは限らない
後遺症が出現した時期は、新型コロナの発症から間もない「2週間未満」が半分を超えます。
しかし、「3カ月以上」経過してからという人もいるので、すぐに後遺症が出なかったから安心できません。

即効性のある薬はない
公立病院では、後遺症に対して、どのような検査を行ない、どんな薬を処方しているのでしょうか。
「倦怠感」の症状がある人に対しては、血液検査、胸部レントゲン、脳/頭部MRI、心電図、脳波などの検査が行なわれました。
また、漢方薬、抗うつ薬、解熱鎮痛剤などが処方されています。
ただし、倦怠感の症状が改善されるには何カ月もかかる上に、1年以上症状が継続しているという人もいます。
新型コロナの後遺症に対しては、即効性のある治療法があるのではなく、ある程度の時間が必要であることが分かります。
アンケートから、1つ実例を紹介します。
コロナ罹患時は軽症だったが、7月上旬の療養終了から1週間後、倦怠感、筋肉痛、頭痛が出現し、歩行や座った姿勢を維持することも困難な状況となり、8月上旬に受診した。
脳MRI検査等を実施、漢方薬や鎮痛剤を処方したが、症状継続のため、10月に専門の医療機関へ入院した。(20代男性)
専用の窓口へ相談を
今回のアンケートにより、新型コロナの後遺症で苦しんでいる人の実態が分かりました。
時間の経過とともに改善がみられる例がある一方で、コロナ罹患時よりも重い症状となる事例や、症状が長期に渡り仕事を休まざるをえない例もあります。
東京都では、コロナ発症時から1~2カ月以上症状が継続するなど、後遺症が疑われる場合は、無理な活動は避け、かかりつけの医療機関や「コロナ後遺症相談窓口」などへ相談するように勧めています。
また、東京都では、「新型コロナウイルス感染症 後遺症リーフレット」のPDFファイルを無償配布しています。
全体で4ページの薄いリーフレットですから、後遺症が疑われるときは、まず目を通してください。