退院した新型コロナ患者の「76%」が、「嗅覚障害」などの後遺症を感じている
退院したあとの後遺症に関する調査
東京都の新型コロナウイルス感染症モニタリング会議において、「新型コロナウイルスの後遺症に関する疫学調査」の結果が公開されました。
これは、国立国際医療研究センターにおいて、新型コロナウイルス感染症から回復して退院した人を対象にした調査です。
調査の規模は小さいものの、電話での聞き取り調査のため、新型コロナウイルスの後遺症の特徴が分かりやすく表れています。
「76%」の人が後遺症を感じている
調査対象となった退院者は78人で、そのうち63人が回答に応じています。
このうち、後遺症を認めた人は48人でした。
つまり、新型コロナウイルスから回復しても、後遺症が残った人が「76%」もいます。
後遺症は長く残る傾向があり、2カ月経っても「48%」、4カ月でも「27%」の人が後遺症を訴えています。
20代は「嗅覚障害」、30代以上は「せき」
後遺症の主な症状を年代別に見ています。
20代では「嗅覚障害」と「味覚障害」が多いのが特徴です。
30代以上は「せき」「倦怠感」「呼吸困難」が多く、半分以上の人が経験しています。
ここに名前が挙がった5つの症状が、新型コロナウイルスの代表的な後遺症と言えるでしょう。
意外なところでは、24%の人が「脱毛」を挙げており、そのうちの半分以上は、調査時までに回復していませんでした。
後遺症を防ぐ方法は、コロナにかからないことしかない
新型コロナウイルスの後遺症は、何が原因なのでしょうか。また、どうすれば治るのでしょう。
発表資料には、次のように書かれています。
後遺症の原因と治療
・ウイルスによる過剰な炎症(サイトカインストーム)、活動性のウイルスそのものによる障害、不十分な抗体による免疫応答などが原因として挙げられているが、原因は明確になっていない。
・現段階では、確立された治療法はない。
つまり、新型コロナウイルス感染症にかからないことしか、後遺症を防ぐ方法がないというわけです。
今回の調査でもわかるように、若い人でも後遺症が残る可能性はあります。
また、症状としては、「嗅覚障害」「味覚障害」「せき」「倦怠感」「呼吸困難」などがあり、生活の質を下げてしまいます。
若いからと言って新型コロナウイルスが無害なわけではありません。
よけいな後遺症を背負い込まないように、最初から新型コロナウイルスにかからないように、しっかりと予防してください。