売上がコロナ前の3分の1に減った旅行業界。安心安全な旅行を楽しむコツ
新型コロナで苦しい旅行業界
企業情報サービスの東京商工リサーチが、「旅行業の売上が、新型コロナウイルス感染症の流行前に比べて3分の1に減った」とレポートしています。
新型コロナの流行に伴ない、海外旅行や大規模な国内旅行が制限される状態が長く続きました。
その影響で、旅行業界は厳しい状況が続いているのです。
それは、旅行を楽しむ側の私達にとっても無縁ではありません。
旅行業界の現状と、その対策を紹介します。
売上は2年前の3分の1
東京商工リサーチが把握している、国内旅行業者1,110社の売上の合計は「7,241億5,400万円」でした。
これは、コロナ前の2019年の売上合計「2兆7,705億9,400万円」に比べると、73.8%も減っています。
つまり、たった2年間で、売上が3分の1以下に減ってしまったのです。
これだけ売上が落ちれば、利益も消失します。
2年前は、業界全体で「569億8,300万円」の黒字だったのが、「1,795億2,100万円」の赤字に転落しました。
大きな利益を上げていた旅行業界は、新型コロナのために苦しい状況に追い込まれています。
業界大手も赤字に転落
1,110社の国内旅行業者のうち、その3分の2は赤字決算となりました。
赤字の企業には、JTB、阪急交通社、クラブツーリズムなど、業界を代表する大手が含まれています。
会社の規模の大小を問わず、旅行業界全体が苦しい状況であることが分かります。
JATAの加盟業者を選ぶ
では、このような状況の中で、私達は、どのような旅行を楽しめば良いのでしょうか。
まず、旅行業者の破綻に備えましょう。
万が一、旅行を予約した旅行業者が破綻してしまった場合でも、旅行業の業界団体である「日本旅行業協会(JATA)」に加盟している会社であれば、高い確率でお金が戻ってきます。
旅行を予約する際には、その業者がJATAの会員であることを確認してください。
「旅行業者名」や「登録番号」などが分かれば、JATAのWebサイトで検索できます。
特に、金額が大きい海外旅行に行く場合は、必ず確認しましょう。
新型コロナ対策も忘れずに
次に、新型コロナウイルスに対する備えです。
旅行の前には、目的地の新型コロナウイルス感染症の状況を確認してください。
チェックするのは「新規陽性者数」です。
変異株が入れ替わるときは、「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が出ていなくても、新規陽性者数が増えていることがあります。
「都道府県名」と「新規陽性者数」で検索すれば、現在の新規陽性者数が分かります。
「新規陽性者数」が急増するなど、好ましくない状況のときは、旅行を中止する勇気を持ってください。
さらに、旅行先でも、なるべく他人と接しないですむように、家族などの少人数の旅行が望ましいでしょう。
マスクを着け、手洗いを行ない、人混みを避けるなど、感染予防対策の基本は守ってください。
もうすぐ5月の大型連休ですが、コロナや倒産のリスクを避けて、安心安全な楽しい旅行を計画してください。