モデルナの従来株用新型コロナワクチンが終了。武田/ノババックスは9割以上をキャンセル
モデルナの従来株ワクチンが終了
厚労省は、モデルナ・ジャパン社の新型コロナウイルス用ワクチンについて、利用を終了します。
モデルナのワクチンには「従来株ワクチン」と「オミクロン株対応ワクチン」がありますが、今回、利用が終了するのは「従来株ワクチン」です。
モデルナの「従来株ワクチン」は、2020年10月に供給契約が結ばれました。
現在までに「約1億4,300万回分」が供給されています。
このうち、国内で利用されたのは「約9,690万回分」で、残りの「約4,610万回分」は有効期限切れなどで廃棄されました。
モデルナから供給されたワクチンの、3分の1ほどが廃棄されたことになります。
なお、「オミクロン株対応ワクチン」については、引き続き接種が行なわれます。
武田は契約の9割以上をキャンセル
また、武田薬品工業が提供するノババックス社製のワクチンについても、キャンセルを行ないます。
厚労省は、武田薬品と2021年9月に「約1億5,000万回分」のワクチンの供給契約を結びました。
そして、現在までに「約824万回分」が供給されています。
残りの「1億4,176万回分」についてキャンセルすることで合意しました。
武田/ノババックスのワクチンについては、契約分の94.5%分がキャンセルされることになります。
なお、すでに供給されている分については、まだ接種が可能です。
ファイザー/モデルナ以外のワクチンは苦しい状況
新型コロナウイルス用ワクチンが登場した当初は、国家間で奪い合いとなりました。
そのため、日本においても、実際の使用分よりも多めの契約が結ばれています。
しかし、2022年9月に使用が終了したアストラゼネカ社製ワクチンでは、血栓症などの副反応が報告されたため、国内の使用は0.2%に留まりました。
残りについては、海外への供与や廃棄が行なわれ、最終的には半分以上がキャンセルされました。
今回の武田/ノババックス社製ワクチンの大規模なキャンセルは、それに続くものです。
これらのワクチンは、ほぼ全国民に届く分が契約されていましたが、実際に接種した人は、ごく一部に留まりました。
首相官邸による実際の接種率を見ても、ファイザーとモデルナが、そのほとんどを占めています。
新型コロナウイルス用ワクチンは、登場から、ほぼ3年を経て、はっきりと勝負がついたと言えるでしょう。