アストラゼネカ製ワクチンの使用を終了。契約の半分以上をキャンセル
アストラゼネカ製ワクチンの供給が終わる
厚労省は、アストラゼネカの新型コロナワクチンの使用を終了しました。
アストラゼネカのワクチンは、2020年12月に供給契約が交わされました。
しかし、2022年9月30日をもって、ワクチンの有効期限が終了しました。
アストラゼネカ製ワクチンは、国内では普及せず、大半が海外に供与されました。
また、約束した供給契約の半分以上がキャンセルとなりました。
国内では普及せず、海外に供与
アストラゼネカ製ワクチンとの契約では、1億2千万回分の供給が約束されていました。
しかし、国内では、1回目と2回目の接種に使用されただけで、3回目以降の接種には使用されませんでした。
国内での使用回数は約20万回分にとどまりました。
これは、供給契約全体の0.2%でしかありません。
そのため、供給されたワクチンの多くは海外に供与されました。
主な供与先は、ベトナム、インドネシア、台湾、フィリピン、タイ、マレーシアなどのアジア諸国です。
さらに、使用期限切れなどで10%以上が廃棄されました。
そして、供給契約の半分以上がキャンセルされました。
厚労省は、キャンセルした分については、アストラゼネカに生じた必要な経費を除いた金額の返金を受ける予定としています。
2年足らずで状況が大きく変化
アストラゼネカとの契約が行なわれた2020年12月の時点では、新型コロナウイルス用ワクチンの主流が、どれになるか確定していませんでした。
しかし、新型コロナ用ワクチンの主流はファイザーやモデルナが供給するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとなり、ウイルスベクターワクチンであるアストラゼネカは、ほとんど使われませでした。
また、先進諸国がワクチンの供給を争うような状況もあったため、アストラゼネカとの契約は大規模なものとなりました。
しかし、最終的には半分以上がキャンセルされてしまったのです。
せめて、供給された数の多くが海外に供与され、有効に活用されただけでも良かったと言えるでしょう。
アストラゼネカ製ワクチンの供給終了は、新型コロナをめぐる状況の変化が激しく、予測が難しかったことを教えてくれます。