新型コロナで大きく減った東京都の人口。最大で10万人減少
コロナ前のピークに戻れない東京都の人口
新型コロナウイルス感染症による東京都の人口減少は、一時は10万人に及んだことが分かりました。
東京都の人口は、新型コロナ前の2019年は、1年間で約11万人も増えていました。
しかし、2020年に新型コロナの感染が広まると、その勢いが止まります。
2020年5月に過去最高の「1,407万人」を記録しますが、それをピークにして人口の減少が始まりました。
そして、2022年12月になっても、まだピークまで戻っていません。
「8カ月連続減少」に続く、「10カ月連続減少」
新型コロナの感染が広まると、2020年から2021年にかけて、8カ月連続で人口が減少しました。
2021年4月に、いったん持ち直したものの、今度は10カ月連続で人口が減少しました。
2022年に入っても勢いは戻らず、3月には、ピーク時よりも10万人も減ってしまいました。
26年ぶりに減った東京都の人口
もう少しくわしく、人口の流れを見ていきましょう。
2021年の人口減少の原因は複数あります。
- 出生数が戦後最低になった
- 死亡数が戦後最多となった
- 東京都への転入者が減った
- 東京都から近隣の県への転出が増えた
- 外国人の出国が増え、入国が制限された
2021年は、人と人の接触が減る一方で、新型コロナによる死者が増えました。
その結果、「出生数」が9万5千人、「死亡数」が12万8千人となり、自然増減だけで「3万3千人」も減りました。
また、東京への転入者は38万8千人に減り、東京からの転出者は37万7千人に増えました。
差し引きで増えた社会増減は「1万1千人」だけです。
これでは、新型コロナ前のように、自然増減で減った分を、社会増減で補うことができません。
そして、2021年は、26年ぶりに東京都の人口が減った年となったのです。
年度が変わる4月に注目
新型コロナが東京都の人口に与えた影響は、とても大きなものでした。
その影響は、約10万人の人口減少という結果を招きました。
これだけ人の動きが変わると、経済的な影響も小さくありません。
幸いなことに、2022年に入ってからは、規制の緩和によって、人口が戻りつつあります。
2023年の4月に進学や就職による人口の流入がどれぐらいあるかで、新型コロナからの回復具合が分かるでしょう。