メーカーが倒産したけれど、「らくらくスマートフォン」や「らくらくコミュニティ」を使い続けて大丈夫?
「らくらく」シリーズのメーカーが倒産
携帯電話の「らくらくスマートフォン」を製造販売し、SNSの「らくらくコミュニティ」を運営しているFCNTが民事再生手続きを開始しました。
簡単に言えば、FCNTは「倒産」してしまったわけです。
これからは、スポンサーを探して事業の再生を目指すことになります。
これにより「らくらくスマートフォン」の販売やサポート、「らくらくコミュニティ」の運営にも大きな影響が出ることが予想されます。
例えば、在庫が無くなる前に「らくらくスマートフォン」を買うべきでしょうか。また、いま使っているとしたら、他のメーカーに乗り換えるべきしょうか。
FCNTおよび関連各社が公開したニュースリリースをもとに、今後の見通しを紹介します。
富士通の携帯電話事業から分社化
今後についてお話する前に、「らくらくシリーズって、富士通がやってたんじゃないの」という疑問にお答えしておきましょう。
FCNTは、富士通の携帯電話事業とSNS事業が分社化された会社です。
当初は、「富士通コネクテッドテクノロジーズ」という社名でしたが、富士通の資本から離れるとともに「FCNT」に社名を変更しています。
現在は富士通とは資本関係がなく、独立した会社です。
今回の倒産においても、富士通がスポンサーとして名乗り出る見込みは少ないでしょう。
「らくらくコミュニティ」は大丈夫そう
今後の見通しですが、FCNTのリリースによれば、スポンサーが見つかり、事業を受け継ぐことができるのは「サービス事業」だけです。
つまり、「らくらくコミュニティ」については、継続されると考えて良いでしょう。
ただし、「らくらくコミュニティ」は、富士通からFCNTに運営会社が変わった時点で、サービス内容も変わりました。
今後、スポンサー企業に運営が変わることで、同じような変化が起きる可能性があります。
とりあえず、すぐに退会する必要はありません。
「らくらくコミュニティ」からの告知を待ちながら様子を見るべきでしょう。
「らくらくスマートフォン」は使い続けて大丈夫
一方、ニュースリリースの発表時点では、「携帯端末の製造販売」と「携帯端末の修理/アフターサービス事業」のスポンサーは見つかっていません。
リリースでは、「事業を継続することは極めて困難な状況にある」としています。
これだけを見ると、「らくらくスマートフォン」を使い続けることにはためらいがあります。
しかし、「らくらくスマートフォン」を販売していたNTTドコモを始め、その他の携帯端末を販売していたKDDIとソフトバンクがアフターサポートの継続を告知しています。
また、「らくらくスマートフォン」については、NTTドコモの直販サイトで販売も継続しています。
とりあえず、いま「らくらくスマートフォン」を使っているのであれば、そのまま使い続けて良いでしょう。
もし、修理が必要になったときにメーカーが修理してくれなくても、同じ機種に交換してデータを移すという手があるので、いざとなったらなんとかなるでしょう。
ただし、今後、「らくらくスマートフォン」の新機種が出る可能性は低いと思われます。
次の機種変更の際には、一般的な端末への乗り換えを考える必要があります。
機種変更に備えて、Android共通の使い方を覚える
「らくらくスマートフォン」や、その前身の「らくらくフォン」は、シニアのことを考えた貴重な製品で、一つの時代を作りました。
しかし、国内メーカーの携帯端末事業には逆風が吹いています。
5月には、京セラも、2025年に個人向け携帯端末事業から撤退することを発表しました。
つまり、自分が使っている携帯端末のメーカーが、いつ撤退しても不思議ではない状況となりました。
このような時代に、そのメーカー独自のアプリや操作方法に慣れてしまうことはリスクとなります。
今後に備えて、Android(アンドロイド)スマホでは、Androidに共通した操作方法やアプリに慣れてください。
そうすれば、万が一のときも、違うメーカーの端末に乗り換えることができます。
今後も末長くスマホを使い続けることを考えると、これからは、できるだけ一般的な機種を選び、基本的な操作方法を覚えておくことをおすすめします。