ガン患者の3人に1人は、ガンが障害年金の対象になっていることを知らない。自分で調べないと知識にたどり着くことができない【追記あり】

[2024/3/18 00:00]

ガン患者に聞いた障害年金との関係

認定NPO法人 キャンサーネットジャパンが、ガン患者と障害年金についてのアンケート結果を公開しています。

2023年6月から7月にかけて行われた調査には、ガン治療経験者と、ガン患者の家族582人が回答しています。

3人に1人は、ガンが障害年金の対象になることを知らない

「障害年金」は、私たちが病気やケガなどで障害の状態になったとき、生活を支える資金として支給されます。

そして、「障害の状態」には、長期療養が必要なガンなどの内部疾患も含まれています。

ガンにより、仕事や生活が著しく制限を受ける状態になったときは、障害年金の申請を検討してください。

しかし、今回のアンケートでは、ガン患者でも障害年金を受け取ることができる可能性があることを「知っている」人は65.8%に留まりました。

つまり、ガン患者や家族の3人に1人は、「障害年金を受け取れる可能性」を知らなかったことになります。

【3月20日追記】なお、基本的なルールとして、障害年金が受給できるのは、老齢年金受給前の65歳未満の人に限られています。また、ガンになっただけでは障害年金を受けることはできません。

ガンに伴う人工肛門や新膀胱の造設などの手術の結果や、倦怠感や嘔吐などの内部障害によって、「生活や仕事などが制限された」ときに対象となります。

例えば、「障害の程度2級」では、「必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害」と定義されています。

出典:認定NPO法人 キャンサーネットジャパン

自分で調べないと情報にたどりつけない

「障害年金を受け取れる可能性」を知ったのは、「記事や書籍、冊子(インターネット上含む)」などの文字情報が中心です。

医療関係者から、口頭で聞いたという人は多くありません。

つまり、情報を得るために、積極的に調査している人でないと、「障害年金を受け取れる可能性」にたどりつけない怖れがあります。

出典:認定NPO法人 キャンサーネットジャパン

申請の壁は「書類作成」と「知識」

最後に「障害年金を請求するうえで困ったこと、請求を断念した理由」を聞いています。

一番多い回答は「手続きや書類作成が煩雑だった」でした。

次いで「“初診日”や“障害認定日”など用語を理解するのが大変だった」が続きます。

障害年金を申請するための書類を記入するためには、制度を理解したうえで、特有の言葉に慣れる必要があるので、それが申請者を苦しめていることが分かります。

【3月20日追記】障害年金の問い合わせは、全国の年金事務所や街角の年金相談センターで受けつけています。まず、窓口の予約を取って、窓口で相談してください。

なお、障害年金の申請は、「社会保険労務士」に代行を依頼することができます。

書類の作成が難しかったり、資料集めに苦労している場合は、ある程度の料金を見込んだ上で「社会保険労務士」に依頼することを検討してください。

出典:認定NPO法人 キャンサーネットジャパン

【3月20日追記】本記事は、キャンサーネットジャパンがPR TIMESで公開した情報をもとに規定のルールに従って許諾を得て掲載されています。

[シニアガイド編集部]