病歴を問わず加入できて、葬祭費用30万円が出る「葬儀保険」

[2015/10/22 00:00]

葬祭費用だけを考えた保険

NP少額短期保険が販売している「葬祭費用あんしんプラン」という商品は、保険契約者(本人)が死亡したときに、保険金受取人(家族など)に葬祭費用を残すことを目的としています。同社では「葬儀保険」と分類しています。

契約者の死亡時に支払われる保険金は、1口30万円で、60万円と90万円も選べます。契約は1年単位で、自動的に更新されます。

保険料は契約者の年齢によって変わります。たとえば、1口30万円の場合の年払い保険料は、次の通りです。

  • 15歳~49歳 7,000円(1月当たり約583円)
  • 50歳~59歳 8,000円(同約666円)
  • 60歳~69歳 10,000円(同約833円)
  • 70歳~79歳 15,000円(同約1,250円)

保険金受取人は、配偶者、または2親等以内の親族を原則としています。葬儀のときに使う保険金なので、喪主となる予定の人か、子のうちの1人を指定することが推奨されています。

また、葬儀に間に合わせるために、保険金は翌営業日の支払いが基本です。

本人の死去が確認されると、故人の銀行口座は凍結されます。この保険によって、一定の金額が入る当てがあるのは遺族にとって心強いことでしょう。

医師の審査も告知も不要

「葬祭費用あんしんプラン」の、もう1つの特徴は、契約者の健康状態について寛容なところです。一般の保険で必要な、医師の審査や、病歴の告知も不要です。

健康面での加入条件は、『契約申込み時点で「医療機関(病院や診療所など)」に入院していないこと』だけです。現在、入院中であっても、退院すれば契約できます。

もう1つの加入条件は年齢で、「保険の開始日に満15歳以上満79歳以下」に制限されています。

割りきった仕様で分かりやすい保険

多くの人が加入している生命保険の契約金額は、残された家族の今後の生活を支えることを想定しているため、死亡時の保険金は数百万円以上が普通です。したがって、毎月の保険金も月に数千円~数万円と、それなりの金額になります。

この「葬祭費用あんしんプラン」は、遺族の生活資金ではなく、自分の葬祭費用に充てることを考えて保険金の金額を抑えることで、安い保険料を実現しています。

また、健康状態の告知もしないという割りきった仕様にすることで、契約者にも分かりやすい保険になっています。

惜しいのは、加入年齢が70代までに限定されていることですが、これ以上をカバーすると死亡率が上がるので、保険金が高くなりすぎるのでしょう。75歳から90歳までの15年間は、男女とも死亡率の高い年代なのです。

ほどほどの保険料で、ほどほどのお金が貰えるというバランスの良い設定が、この保険の魅力なのです。

[シニアガイド編集部]