50歳になった時点で、あと何年生きると計算すれば良いか
50歳になっても、まだ長い人生が待っている
50歳になった誕生月に届く、「ねんきん定期便」から、自分が貰える年金額の概算が記載されるようになります。これがきっかけで、老後の人生設計を考えはじめる方も多いでしょう。
では、50歳になった時点で、あと何年生きると考えれば良いのでしょうか?
答えは「平均余命から計算すると、男性約32年、女性なら約38年」です。
厚生労働省の生命表で調べると、すでに50歳になっている男性の平均余命は32.18年、女性は37.96年です。
平均余命まで生きたとすると、男性は82.18歳、女性は87.96歳まで生きることになります。
もちろん、個人差はありますが、漠然と考えていたよりも、ずっと長い期間を生きるのだと感じる方が多いでしょう。
余命は、「平均寿命ー自分の年令」ではない
余談ですが、こういう余命を計算するときに、よくある間違いは、「男の平均寿命は80.50年、女の平均寿命は86.83年」というニュースの数字を基にして、男性なら80引く50で「あと30年」、女性なら86引く50で「あと36年」と計算してしまうことです。
しかし、平均寿命は、その時点でゼロ歳の平均余命です。
その時点で、50歳まで生きている人の平均余命は、平均寿命から計算した数字よりも少し長くなり、その差は、年齢が高くなるほど大きくなります。
大人になって、ある程度の年令まで生き伸びていると、平均寿命よりも長い人生を送ることになるのです。
65歳で退職すると、まだ20年以上の余生がある
では、50歳ではなく、今年65歳で定年退職するとしたら、あと何年の人生に備えれば良いのでしょう。
65歳の平均余命は、男性が19.29歳、女性が24.18歳です。
つまり、「65歳なら、男性は約20年、女性なら24年の余命があります」。
平均余命まで生きたとすると、男性は84.29歳、女性は89.18歳まで生きることになります。
これだけ長生きするとわかっていると、年金頼りで余生を送るのではなく、もう少し働いておこうかという気になりますね。
80歳まで生きている人は、平均寿命より長生きする確率が高い
今度は、自分のことではなく、親のことを考えてみましょう。
たとえば、自分の親が80歳とします。
80歳の平均余命は、男性なら8.79年、女性なら11.71年です。
つまり、男性なら88.79歳、女性なら91.71歳が寿命となります。
これは、男女とも平均寿命よりも、ずっと長い寿命です。80歳まで長生きする人は、平均寿命よりも長く生きることが多いのです。
長寿は良いことですが、それを経済的に裏付ける計算をする際は、平均寿命からの概算ではなく、生命表で平均余命を確認して計算しましょう。特に高齢者の場合、老人ホームへの入所の判断や、入所料の支払い方法の選択などの際に注意が必要です。