介護経験者の8割は、認知症の親を虐待しそうになったことがある

[2016/1/22 00:01]

介護経験のある親族へのアンケート

「認知症の介護家族の約8割が『虐待』しそうになった経験が『ある』というアンケート結果が公開されています。

アンケートを行なったのは、認知症の情報サイト「認知症ONLINE」で、認知症の親の介護経験を持つ全国20代~70代の男女100名が回答しています。

男女比は2対8で女性が多く、年齢的には40代と50代が多くなっています。

8割の人が「虐待しそうになったことがある」

「認知症のご家族を虐待しそうになったことはありますか」という質問に、約8割の人が「ある」と回答しています。

「虐待しそうになったことがある」人が8割に達する

言うことを聞いてくれない時がつらい

「どんな瞬間に虐待してしまうかもしれないと感じますか」という質問には、「言うことを聞いてくれない時」が、一番多くなっています。

「同じことを繰り返す」「夜寝てくれない」「暴力、暴言」が続きます。

「言うことをきかない」が群を抜いて多い

回答者から寄せられた、次のような実例も紹介されています。

  • 義歯のつけ外し、口腔ケアで口を開けてくれない時(50~54歳、女性)
  • 介護と仕事の両立で 苦しくなってしまった時(50~54歳、男性)
  • 自分の時間が取れないことがストレスに感じた時。自分の周りの人と自分の生活を比べてしまったとき。(30~34歳)

手を出してしまった人もいる

虐待を意識したことが「ある」と回答した人に対して、「実際に虐待をしたことはありますか」という質問をしたところ、「ある」という答えが3割ありました。

実際に手を出してしまったことがある人もいる

第三者と話す場所があることが一番の対策

「今後、虐待を防ぐために大切なことは何ですか」という質問には、「悩みや愚痴を言える場所があること」「認知症を理解すること」「周囲に頼ること」の3つが支持されています。

第三者と話す場所が必要という指摘が多い

アンケートをまとめた「認知症ONLINE」では、「日々の介護で溜まった疲れやストレスを緩和するための周囲の理解や相談窓口を多くの介護家族が求めていることがよく分かる結果となりました」とまとめています。

[シニアガイド編集部]