病院の入院患者の7割は65歳以上が占めている

[2016/1/28 00:00]

齢をとったら病気にかかりやすいは本当?

「齢をとったら病気に罹(かか)りやすくなり、病気が治りにくくなる」と言われます。言われてみれば、病院の外来窓口には、高齢者というべき年齢を多く見かける気がします。

実際に病院に来ている患者の中で、高齢者の比率はどれぐらいあるものでしょうか。

それを裏付けるデータが、厚生労働省が2015年12月に発表した「患者調査」にありました。

このデータを使って、65歳以上と、それ以外の年齢層の病院との関わり方の違いを見てみましょう。

外来の5割、入院の7割は65歳以上が占めている

まず、病院に行くほどの病気やケガに遭う確率を見てみましょう。

下のグラフは、病院の外来と入院の患者数を、年齢層別に分類したものです。

外来では約半分を、入院では約7割を「65歳以上」が占めています。

病院に通う回数では「65歳以上」が、他の年齢層を圧倒しています。

外来患者と入院患者のいずれも「65歳以上」が圧倒的に多い

65歳以上になると、同じ病気でも治りにくい

今度は、病気で入院した患者の平均入院期間を病名と年齢層別に分けてグラフにしました。

これを見ると、同じ病気でも、年齢が高くなると治りにくくなる病気があります。

例えば、「脳血管疾患」の場合、他の年齢では50日以下で退院しているのに対し、「65歳以上」では100日以上も入院しています。

同じように「慢性腎不全」「気分障害」なども、年令が高くなると入院期間が長くなっています。さらに「アルツハイマー病」のように、年齢が高い層だけがかかる病気もあります。

また、病気ではありませんが「骨折」による入院期間も、年齢による差が大きく、ケガが治りにくくなっていることがわかります。

「ガン」のように年齢による入院期間の差が少ない病気もあるが、一般的に「65歳以上」になると入院期間が長くなる

適切な運動や食事で健康を維持しよう

65歳以上になると、病院に行く機会が増え、同じ病気でも入院期間が長くなります。

一般に、高齢期に注意する病気は、脳血管疾患、認知症、ロコモティブシンドローム、心疾患、ガンなどです。

適度な運動や、過不足のない食事などにより、これらの疾患を予防し、健康な高齢期を迎える準備をしましょう。

[シニアガイド編集部]