介護保険ではお金は貰えない!
介護保険って良くわからない
介護保険は、2000年に始まった新しい制度なので、実際に制度を利用するまでは誤解されていることがたくさんあります。
今回は、よくある3つの誤解について紹介しましょう。
介護保険ではお金は貰えない
介護保険に入っているので、自宅で介護をしていると、状況に応じてお金が振り込まれると誤解している人がいますが、そうではありません。
介護保険は、「現物給付型」と言って、お金ではなくサービスが提供されます。
下の表は、介護保険の「要介護度」と、その特性をまとめたものです。
この表にある「支給限度額」の範囲で、在宅サービスなどが受けられます。
各サービスの価格は、厚生労働省が決めており、サービスを受けた被保険者は、そのサービス料の1割を負担します。
例えば、「要支援1」であれば、自己負担の限度額は「5,003円」となります。
要介護度が高く、自己負担額が大きくなってきた場合は、負担を軽くする「高額介護サービス費」などの制度があります。ケアマネージャーなどに相談しましょう。
施設サービスの「居住費」と「食費」は自己負担
要介護度認定で、「要介護」以上の判定になると、「施設サービス」が受けられます。
介護保険で指定されている「介護施設」は、「介護老人保健施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」の3種類があり、それぞれに特徴があります。
とくに、在宅では介護が困難な人を対象とした、特別養護老人ホームの新規入所が要介護3以上に限定されたというニュースは、覚えていらっしゃる方も多いと思います。
これらの施設では、「居住費」「食費」「介護サービス費」などがかかりますが、介護保険が負担するのは「介護サービス費」だけで、居住費や食費は入居者の負担となります。
それでも、厚労省の調査結果を見ると、各施設について月額6万円~8万円程度の負担となっており、居住費と食費を負担していても、民間の有料老人ホームに比べると負担は軽くなっています。
介護認定の変更申請はいつでもできる
介護保険を利用するためには、最初に要介護認定の調査と判定が行なわれ、「要介護度」の判定が出ます。
要介護度認定の有効期間は、6カ月ないし12カ月で、そのつど更新を行ないます。
よくある誤解として、一度判定が出たあとで病状が悪化しているのに、「もう判定が出たので変えられない」と言ってあきらめていたり、「まだ更新の時期ではないから判定が変わらない」と言って更新時期を待っていらっしゃる場合があります。
しかし、認定の有効期間内であっても状態が変わった場合は、区分変更申請をすれば、もう一度訪問調査が行なわれ、主治医の意見書を取り寄せて、新たに審査判定が行なわれます。
病状の悪化により心身の状況に変化があり、介護の必要度が変わった場合は、遠慮せずに「認定の変更申請」をしましょう。