今、年金をもらっている人は、いくらもらってる?
年に1度の報告書
私達が年金をもらえる年齢になった時に、実際にいくらもらえるものでしょうか。参考までに、今現在、年金をもらっている人達が、いくらもらっているのか調べてみました。
厚生労働省が年に1度発表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」という報告書の最新版が、2015年の12月に発表されたばかりなので、これを利用しています。
金額は平成26年度末(2015年3月)現在の実績値です。
サラリーマンの老齢年金は14万7千円
サラリーマンや公務員など、雇われて働いている人の年金である厚生年金から見ていきましょう。金額は全体の平均です。
まず、60歳以上から支給されている「老齢年金」です。
老齢年金の支給額は月額で「147,513円」でした。
次に、病気やけがなどの障害時に支給される「障害年金」の月額は「101,906円」でした。
また、被保険者が亡くなったときに支給される「遺族年金」の月額は「84,831円」です。
障害年金や遺族年金の金額については、あまり語られることがありませんが、生活を支える基礎にはなる金額であることがわかります。
フリーランスの老齢年金は5万4千円
次に、フリーランス(自営業)や専業主婦の年金である国民年金を見てみましょう。同じく平均値です。
「老齢年金」の月額は「54,497円」でした。
「障害年金」の月額は「71,995円」、「遺族年金」の月額は「80,404円」です。
老齢年金は厚生年金との差が大きいですが、障害年金や遺族年金は差が小さく、そこそこ頼りになる金額であることがわかります。
老齢年金は、モデルケースほどもらえないつもりで準備しよう
それぞれの老齢年金について、実際に支給されている年金額を、厚労省が示している年金額と比べてみましょう。
まず、厚生年金です。
厚生年金は、夫婦単位でモデルケースが設定されています。夫は40年間働き、妻が専業主婦という設定です。
このモデルケースの年金額は「221,504円」です。
それに対する実際の支給額は、夫の分が「147,513円」で、妻の分「54,497円」を加えますから、「202,010円」になります。
モデルケースに比べて91%にあたる金額です。
次に、国民年金です。
国民年金は40年間満額で保険料を納めた場合の金額が「65,008円」です。
それに対する実際の支給額は「54,497円」です。
満額の金額に比べて約83%にしかなりません。
自分が、実際にどれぐらいの年金をもらえるかは、保険料の納付状況や報酬額などによって異なります。
しかし、厚労省が提示しているモデルケースや満額の金額に比べて、低めの水準になる可能性が高いことは頭に入れておきましょう。
特に国民年金の場合は、満額でも支給額が一定以上にはなりません。年金だけで生活するのは、かなり難しいと思われます。
ぜひ、年金を上積みする「国民年金基金」や「個人型確定拠出年金」、退職金を準備する「小規模企業共済」などの制度を利用して、老後の生活資金を準備しましょう。