史上初の人口減少以外に、「国勢調査」の速報で分かったこと

[2016/2/27 02:32]

国勢調査の速報でわかったことを紹介

日本の人口を5年に1度調査する「国勢調査」の速報が2016年2月26日に発表されました。以下、単に「速報」と呼びます。

せっかくの速報ですが、「日本の人口が初めて減り始めた」こと以外は、あまり詳しく紹介されていません。しかし、まだ速報の段階とはいえ、なかなか面白いデータが含まれています。

ここでは、公開された国勢調査の速報によって何がわかったのか、もう少し詳しく紹介しましょう。

大正9年の調査開始以来、初めての人口減

日本の人口の推移。今回の調査で初めて人口が減少した

速報による日本の人口は、2015年10月1日現在で「1億2,711万人」でした。

2012年の調査に対して「94万7千人」減少しました。

国勢調査は、大正9年(1920年)に始まり、5年おきに行なわれています。

しかし、これまで人口が減った例はなく、国勢調査史上初めての人口減となりました。

この「1億2,711万人」という数字は、良い数字なのでしょうか、悪い数字なのでしょうか。

実は、国の機関である「社会保障・人口問題研究所」が2014年にまとめた予想では、2015年の人口は1億2,585万人~1億2,726万人と推計されていました。

つまり、今回の人口減は予想の範囲内です。しかも、9通りある推計のうち、もっとも人口が多い結果に近い数字でした。

人口減自体は、歓迎すべきことではありませんが、今回の人口減は、あらかじめ予想されていた範囲でした。しかも、予想されていた範囲中では、比較的良い結果だったと言えます。

高齢化で女性が増えている

全人口1億2,711万人のうち、男性の人口は「6,182万9千人」、女性は「6,528万1千人」でした。

ここ数回の調査では、女性の比率が上がりつづけています。

これは、平均寿命の違いで、女性が多い高齢層が増えたためと説明されています。

速報には、年代別の人口分布は含まれていませんが、こんなところにも高齢化の影響が表れています。

世帯数は増加、1世帯は平均2.38人

1世帯あたりの人員は、ずっと減り続けている

速報による世帯数は「5,340万3千世帯」で、前回調査から2.8%増えています。

人口が減少しているのに世帯数が増えているのは、1世帯あたりの人数が減っているからです。

今回の調査では1世帯は「2.38人」でした。

1世帯あたりの人数が一番少ないのは東京都で「2.02人」で、北海道、大阪府が続きます。

都市では独居世帯や二人世帯が多いため、1世帯当たりの数字が少なくなる傾向にあります。

人口が増えたのは8都県だけ、大阪府も人口減少に

人口が増えた都県と、人口が減った道府県

都道府県別で見ると、人口が増えたのは8都県でした。

県名で言うと、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、滋賀県、福岡県、沖縄県です。

沖縄県と福岡県は、人口増加のペースが上がっています。

逆に、大阪府は、前回調査では人口が増加していましたが、今回は減少となりました。

参考までに、都道府県別の人口グラフも掲載しておきましょう。

都道府県別の人口。9位の福岡県までで、日本の人口の半分を占める

都市への人口集中は進む

全国1,719市町村のうち、人口が増えたのは303市町村でした。

東京特別区(23区)や、人口50万人以上の政令指定都市とその周辺が中心です。

政令指定都市の多くは人口が増えていますが、神戸市、北九州市、堺市、新潟市、浜松市、静岡市は、人口が減少しています。
また、人口による順位の変動も激しくなっています。前回調査と比較すると、福岡市、川崎市、千葉市、岡山市が順位を上げています。

東京特別区と政令指定都市の人口増減。順位の変動が激しい

地図で見ると地域の動向がわかる

最後に都道府県別の人口減少率の地図を掲載しておきます。

このように地図の形にしてみると、人口が増加している地域と減少している地域がはっきりとわかります。

全体的には都市部の人口が増え、地方の人口が減るという傾向があります。

さらに、都市部であっても、首都圏、愛知県、福岡県は人口が増え、近畿地方から山陽地方にかけては減少が目立ちます。

転居や移住を考える際には、このような人口の動きも頭に入れておくと良いでしょう。

都道府県別の人口増減率
[シニアガイド編集部]