現役世代よりも65歳以上の方が「自分は健康だ」と思っている
「40~64歳」と「65歳以上」の健康意識を比較する
厚労省が2014年に公開した「健康意識に関する調査」のデータから、40~64歳の現役世代と65歳以上の世代の「健康」に対する意識の違いを見てみましょう。
グラフは調査結果を基に編集部で作成しました。回答の選択肢が多い問では、上位の回答のみ掲載しています。
65歳以上では70%以上の人が自分は健康だと思っている
まず、「あなたは普段、健康だと感じていますか」という問いに対して、各世代とも60%以上の人が「健康な方」だと回答しています。
しかし、「65歳以上」では男女とも「あまり健康ではない」が減っています。
また、「健康な方だ」という回答も、「40~64歳」が60%台なのに対し、「65歳以上」では70%台に上がっています。
加齢とともに、自分が健康だと思っている人が増えるという、面白い結果となっています。
「健康」と思う理由は、世代によって違う
「健康と判断した理由を3つまで挙げてください」という問いに対しては、世代の差が出ています。
「65歳以上」では「食事がおいしい」「前向きに生きられる」「生きがいを感じる」などが多くなっています。
しかし、「40~64歳」では「病気がない」や「不安や悩みがない」などが多いという特徴があります。
「40~64歳」は不安要素がないということを健康の理由として挙げる人が多く、「65歳以上」では、生きていることや生活の楽しさが、そのまま健康という自覚へと結びついているようです。
健康に対する不安は「持病」
「健康にたいして不安は何ですか」という問いに対しても、世代の差が良くでています。
「65歳以上」では「持病がある」が多く、男性では半数以上の人が不安要因として挙げています。
それに対して「40~64歳」では「ストレスや精神的疲れ」を挙げる人が多くなっています。
また、「肥満」も「40~64歳」に多い回答で、「65歳以上」になると少なくなります。
健康に対するリスクは「生活習慣病を引き起こす生活習慣」
「あなたの健康にとって、最もリスクとなることはどれですか」という問いには、ほとんどの世代が「生活習慣病を引き起こす生活習慣」を挙げています。
ただし、65歳以上の女性のみ「加齢や遺伝」を一番に挙げています。
ほかに多い要因としては、年代に関わらず「災害や交通事故などの不慮の事故」や「精神病を引き起こすようなストレス」が続きます。
つまり、健康に対するリスクは、自分の生活習慣や日常生活の中にあるという意識の方が、年代を問わずに増えている印象です。
65歳を超えても生活は明るい
「65歳以上」の方は、若い時ほど身体が動きにくくなるので、「健康」に対して不安を抱いている人が多いのではないかという印象がありますが、この調査結果は、そうではないことを教えてくれます。
同じ調査の「不安」の項目を見ていたときにも感じましたが、「65歳以上」の方の多くは、むやみに不安がったり、不健康をなげいたりすることなく、生活を楽しんでいますし、自分の現状についても肯定的な印象を持っていらっしゃいます。
ちゃんと楽しく生きる術(すべ)を身につけていらっしゃるところは、さすが年の功と言えるでしょう。