高齢者の人口は2040年に3,868万人でピークを迎える
高齢者の人口は、いつまで増え続けるのか
「将来的に高齢化率はずっと上がっていく」という話を、よく見聞きします。
「高齢化率」というのは「総人口に占める65歳以上人口の割合」のことです。
こういう話を聞くと、なんとなく65歳以上の高齢者が際限なく増え続けるような気持ちがします。
しかし、「日本の人口は減っていく」とも言いますから、高齢者の数もどこかでピークに達して、次第に減り始まるような気もします。
では、高齢者は、いつまで増え続けるのでしょう。
そこで「将来の高齢者人口の推移」だけに要素を絞ってグラフを作ってみました。
データは厚生労働省が「高齢化白書」で公開しているものです。元データについてはグラフの注をご覧ください。
2040年が高齢者人口のピーク
まず、「65~74歳」と「75歳以上」の2つの年齢層のデータを、そのまま「積み上げ棒グラフ」にしてみました。
予想通り、高齢者の人口推移は、2040年にピークを迎えることがわかります。
グラフからは読み取りにくいですが、この時点での65歳以上の人口は「3,868万人」です。
その後は、ゆっくりと減少を始めます。
「65~74歳」はあまり増えない
棒グラフをながめていると、「65~74歳」と「75歳以上」に比率が、だいぶ変化しているのがわかります。
もう少しわかりやすくするために「折れ線グラフ」にしてみました。
すると、2020年には、「75歳以上」が「65~74歳」の人口を上回ることがはっきりとわかります。
この年を境に、「65~74歳」の人口は減り始めます。そして、多少の増減はあるものの、1,500万人前後の状態が続きます。
それに対して、「75歳以上」は、2025年に2千万人台まで増え、その後もあまり変化がありません。
高齢者の増え方は一様ではない
2つのグラフからわかることをまとめて見ましょう。
- 65歳以上の高齢者人口は、2040年に3,868万人でピークを迎え、その後は減少する
- 「65~74歳」に限ると、2020年は減り始め、その後は増えない
- 「75歳以上」は2025年には2千万人台になり、その後も横ばいが続く
つまり、高齢化といっても、すべての年齢で増えていくわけではなく、特に「75歳以上」が増えるということがわかります。
たとえば、このところ、介護市場への大企業の参入が続いていますが、介護の主な顧客である「75歳以上」が、グラフのように増え続けるとすれば、将来への布石としてうなづける動きと言えるでしょう。
また、高齢化問題では、高齢者の人口推移だけではなく、高齢者と15~64歳の現役世代の比率なども重要です。
そのあたりのデータについては、また改めてお届けします。