日本の人口問題がよく分かる4枚のプレゼンテーション
人口問題とは、何が問題なのか知りたい
日本の人口問題について、テレビや雑誌などで、いろいろな話題が報じられますが、何が問題なのかということをわかりやすく伝えてくれることはあまりありません。
今回は、日本の人口問題について分かりやすい資料として4枚のプレゼンテーションを紹介します。
このプレゼンテーションは、国土交通省による「長期展望委員会中間取りまとめ」という資料の一部です。
日本の人口は、100年で半分以下になる
まず、過去千年を通じてみた日本の人口です。
ご覧のように、日本の人口は明治維新以後の150年間に急激に増加しました。
そして、ここからは100年間で、急激に減少します。
人口の増え方を少なめに見積もった場合(低位推計)は、2000年から2100年までの100年間で、人口が3分の1になる予想です。
ちょうど、100年前の明治後半ぐらいの人口に戻ります。
人口の増え方を多めに見積もった場合(高位推計)でも、人口は半分になります。
逆に言えば、これから出生率が増えたとしても、変化はこれぐらいの差です。
人口の問題は、すでにかなりの部分で確定した状況であり、逃げることはできません。
このような大規模な変化は、日本の過去にはなく、世界でも類をみない状況です。
高齢者が増えて、若者が減る
もう1つの問題は、若者や現役世代は減るのに、高齢者が増えることです。
2050年までの年齢別の推移をみると、15歳未満の若年層は半分に、15歳~64歳までの現役世代(生産年齢人口)は3分の2に減ります。
しかし、65歳以上の高齢者は増えます。
つまり、支えてくれる現役世代に対して、高齢者の割合が高くなります。
全体の人口に対して、65歳以上の人口が占める割合を「高齢化率」といいますが、2050年には約40%になります。
日本国民の10人のうち4人が65歳以上となります。
生まれる人が減り、死ぬ人は増える
出生率が下がっているため、生まれる人の数(出生数)が減っています。
一方で、死亡率の高い高齢者層が増えますから、死亡数は増えます。
すでに2005年の時点で、死亡数は出生数を上回りました。
これからは、毎年、人口の減少が続き、2050年には1年で約110万人も人口が減ります。
80歳以上の人口が増え続ける
65歳以上の高齢者の人口推移を5歳単位に分けてみると、年齢が高いほど、増加率が大きいことがわかります。
特に、80歳以上の人口は、2050年まで増加を続けるため、医療や介護などの社会基盤に大きな負荷がかかります。
医療制度の変更や、在宅による医療や介護を支援する制度の準備などが必要となります。
未来を見通す際の基本資料
この4枚のプレゼンテーションは、日本の人口の変化と、その問題点を、わかりやすく示してくれます。
自分の未来の計画を考える際には、この4枚が示してくれる状況も参考としてください。
もう少し詳しい状況が知りたい場合は、無償公開されている「高齢社会白書」が参考になります。